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成長の章
封印されしベルーフ(天職)
しおりを挟む円也王は王立孤児院から5歳の蓮也を引き取った。
今回は、蓮也がベルーフ(天職)を決める経緯を語ろう。
このガイアという世界にはベルーフ(天職)と言うものがある。
戦士には戦士の、魔術師なら魔術師の情報がアカシックレコードに存在し、そのベルーフを宣言することで、アーカーシャからその元型(アーキタイプ)が付与されるのである。
それを決めるのは中原のベルーフ神殿に座す天使と言われる存在である。そのベルーフを決めるために、ある年齢に達すると、中原へベルーフ巡礼を行う。また、王族レベルとなると、中原から天使が使わされる。
ある時、中原からロータジア城の円也王の下へ四大天使の一人、フリージエルが使わされた。
フリージエル
「ご無沙汰しております、円也王。王子のベルーフ決定(けつじょう)を御所望とのことですね」
円也王
「ああ、よろしく頼む」
フリージエル
「かしこまりました」
蓮也が王の間に呼び出され、天使フリージエルと対面する。王の側には白銀元帥ゼイソンがいる。
フリージエル
「これは・・・、なんて素敵なアジュナーチャクラでしょう」
ゼイソン
(やはり、天使様もそのようにご覧になられておる。この若君に秘められたものをベルーフはどのように判断するであろうか)
円也王
「ベルーフがわかれば育てやすいと思うてな」
フリージエル
「わかりました」
「それでは今からベルーフ決定(けつじょう)の儀を始めます」
フリージエルは手から光を発し、王の間に光マンダラを描いていく。マンダラにはいくつもの枠があり、その一つ一つが別のベルーフである。全部で1000程、あるであろうか。そこに蓮の花びらを投げ入れ、その花びらが落ちた場所でベルーフが決定される。
天使フリージエルは空中に浮遊し、手には蓮の花びらを持っている。そして、神代語を唱えながら、最後に蓮也の名前を読み上げ、高い場所からその花びらを投げ入れる。
すると、花びらはベルーフを決定する光マンダラの中央に落ちる。
フリージエル
「これは・・・」
「通常、この花びらが中央に落ちることはほとんどありません。なぜなら、中央は封印されしベルーフが多くあるからです。そして、この者のベルーフを表す花びらは完全なる中央に落ちました」
円也王
「で、そのベルーフはいかに」
フリージエル
「そのベルーフは・・・」
「インテグリスト(統合者)」
円也王
「おお!」
ゼイソン
(なんと、ロータジア始祖王である蓮也王と同じベルーフ“インテグリスト”・・・この若君には偉大なる力が宿っているというのか)
フリージエル
「円也王、おめでとうございます。本日は大変めでたい日です。このようなベルーフ決定に立ち会えて、私は大変光栄です。蓮也王子よ、アナタの才能が開花することを祈っていますよ」
蓮也は天使を見つめたまま、何も話さなかった。しかし、何となく、何が行われたのかはわかっていたようだ。天使は蓮也に微笑みかけ、祝福の花びらを一振りして帰って行った。
円也王
「蓮也のベルーフはインテグリストか。しかし、この封印されしベルーフを持つ者が現れるということは、何かの危機が近いのかもしれない」
ゼイソン
「そうかもしれませぬ」
円也王
「取り敢えず教育の方向性は決まったようだ。ウィザードナイトのベルーフを持つゼイソン、お前なら、蓮也の多くの能力を開花させることができる」
ゼイソン
「このゼイソンの力の限りを尽くしたいと存じます」
封印されしベルーフはいくつかある。それは、そのベルーフの力が強大なため、このガイアを破壊してしまう危険性があるからである。そのため、初代蓮也王は、いくつかのベルーフを、その巨大な力で封印したとされる。しかし、その太古からの封印が今解かれ、インテグリスト蓮也二世が誕生したのである。ただし、それは何か大きな危険がこのガイアに迫って来ていることを示唆しているのかもしれない。
【解説】
本作品のベルーフ(天職)の概念であるが、これは集合的無意識からの情報エネルギーを取り出す概念である。才能あるものが専門化し、そのベルーフの情報が形成されると、天使という存在が、この集合的無意識レベルにベルーフの情報エネルギーをアンカリングする。このベルーフの情報エネルギーを取り出すのが天使である。この情報エネルギーの最もシンプルで根源的なものが元型(アーキタイプ)である、というのが本作品の設定である。
本作品のアカシックレコードとは神智学の用語であるが、阿頼耶識(唯識)、集合的無意識(分析心理学)と同じレベルを指す。
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