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劣等感~行為のおねだり
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同じような稼業なのに、金子未知には敵わない。
女に負けている。それが白銀直樹のプライドを傷つけていた。
気にしなければいいのに、やたら目につくのがうっとおしい。
「ほら、これが俺の財産だ。全部じゃないが不動産、国債、株券。預貯金。好きなのをやる」
「そういう事じゃないよ!」
内心笑いながら林はクッションを投げつけた。
書類に当たって床に落ちる。
「お願いだから落ちついて」
珍しく白銀が機嫌をとるように優しい声で言う。
「……」
そう言われて黙るしかなく、林は書類を拾う白銀をぼんやり見ていた。
綺麗にととのえて金庫に戻すと、白銀はベッドに戻ってきて馬乗りになった。
「後ろを向いて尻をあげろ」
「ん…」
気だるい体を反転させて、肘で体を支えると、熱い手が腰をつかんでいるのを感じた。
途中だった行為を最後までする。
白銀はゆっくり自身を沈めてから、激しく腰をふり始めた。
「ああん!…やだ…ぁ…激し……!」
「気持ちいいか?」
「気持ちイイ!すご…いい…っ…あ、は…もっ…と突いて……!」
林もかなり酔っているので酒の力で快感が増す。
「捨てないで…白…銀さ…捨て……あ…ぁ…」
激しい快楽が体中を駆け巡って、いつもはすましている林だが、今夜は珍しく乱れた。
全てをやると言ってもこいつの不安は消えないのか。
人は心に闇を持っているものだが、いったいどう接したらいいのだろう。
「もっと…気持ちいい…も…と…あぁ…、あん……」
林はクッションに顔を沈めて『早く終われ』と思いながらいつもの嬌声をあげていた。
これでより深く白銀は自分にのめり込むだろう。
金子未知に命じられたとおり、白銀が壊れるほどの関係性を築けたらそれでいい。
金子は難しいことはやっていない。親から受け継いだものを管理しているだけだ。どちらかというと未知の父親と確執…。
そこまで考えて林は答えがわかった。未知が愛する亡き父の敵だった自分。それを潰したいから邪魔をしている。
もちろん未知とその父に深い関係があったわけではないが、未知の片思いのまま愛する人は天に召された。
「…雨か」
気がついたら空が少し明るくなっていたが、静かな雨が降っていた。
定期連絡のため、林は待ち合わせ場所に指定されたコーヒーショップに向かった。
お一人様用のカウンターに角川がぽつりと座っている。いつもは金子未知のマンション兼事務所で未知も加わって会議するのに今日は不在のようだ。
「珍しいですね、外で会うなんて」
注文したコーヒーを片手に、林は隣の席に座った。
「部屋が使える状態じゃない」
ふう、とため息をついて角川は数日前に起きた事件を語る。
「美加さん、大丈夫ですか?」
「さすがに妹は手にかけない人だと思っていたが…。よほど怖かったのか美加さんがおかしくなって、逆に美衣さんのうつ症状はおさまった」
「そうでしたか」
「俺は金子と生きていくが、林はここでやめてもいいぞ」
「ええー?せっかく体張ってがんばってるのになあ」
独特なデザインの紙コップに入ったコーヒーを飲みながら、林が言う。
「白銀はまだ39歳なのに男尊女卑がすごい。女に負けてると勝手に思って、勝手に恨んで、勝手に勝とうとしている変なおじさんです」
「目障りな奴だな」
「向こうもこちらをそう思ってます」
この世界は永遠に続くギャンブルだ。小さな運で大きく変わる。
知識と度胸と運がないなら、やめたほうがいい。
女に負けている。それが白銀直樹のプライドを傷つけていた。
気にしなければいいのに、やたら目につくのがうっとおしい。
「ほら、これが俺の財産だ。全部じゃないが不動産、国債、株券。預貯金。好きなのをやる」
「そういう事じゃないよ!」
内心笑いながら林はクッションを投げつけた。
書類に当たって床に落ちる。
「お願いだから落ちついて」
珍しく白銀が機嫌をとるように優しい声で言う。
「……」
そう言われて黙るしかなく、林は書類を拾う白銀をぼんやり見ていた。
綺麗にととのえて金庫に戻すと、白銀はベッドに戻ってきて馬乗りになった。
「後ろを向いて尻をあげろ」
「ん…」
気だるい体を反転させて、肘で体を支えると、熱い手が腰をつかんでいるのを感じた。
途中だった行為を最後までする。
白銀はゆっくり自身を沈めてから、激しく腰をふり始めた。
「ああん!…やだ…ぁ…激し……!」
「気持ちいいか?」
「気持ちイイ!すご…いい…っ…あ、は…もっ…と突いて……!」
林もかなり酔っているので酒の力で快感が増す。
「捨てないで…白…銀さ…捨て……あ…ぁ…」
激しい快楽が体中を駆け巡って、いつもはすましている林だが、今夜は珍しく乱れた。
全てをやると言ってもこいつの不安は消えないのか。
人は心に闇を持っているものだが、いったいどう接したらいいのだろう。
「もっと…気持ちいい…も…と…あぁ…、あん……」
林はクッションに顔を沈めて『早く終われ』と思いながらいつもの嬌声をあげていた。
これでより深く白銀は自分にのめり込むだろう。
金子未知に命じられたとおり、白銀が壊れるほどの関係性を築けたらそれでいい。
金子は難しいことはやっていない。親から受け継いだものを管理しているだけだ。どちらかというと未知の父親と確執…。
そこまで考えて林は答えがわかった。未知が愛する亡き父の敵だった自分。それを潰したいから邪魔をしている。
もちろん未知とその父に深い関係があったわけではないが、未知の片思いのまま愛する人は天に召された。
「…雨か」
気がついたら空が少し明るくなっていたが、静かな雨が降っていた。
定期連絡のため、林は待ち合わせ場所に指定されたコーヒーショップに向かった。
お一人様用のカウンターに角川がぽつりと座っている。いつもは金子未知のマンション兼事務所で未知も加わって会議するのに今日は不在のようだ。
「珍しいですね、外で会うなんて」
注文したコーヒーを片手に、林は隣の席に座った。
「部屋が使える状態じゃない」
ふう、とため息をついて角川は数日前に起きた事件を語る。
「美加さん、大丈夫ですか?」
「さすがに妹は手にかけない人だと思っていたが…。よほど怖かったのか美加さんがおかしくなって、逆に美衣さんのうつ症状はおさまった」
「そうでしたか」
「俺は金子と生きていくが、林はここでやめてもいいぞ」
「ええー?せっかく体張ってがんばってるのになあ」
独特なデザインの紙コップに入ったコーヒーを飲みながら、林が言う。
「白銀はまだ39歳なのに男尊女卑がすごい。女に負けてると勝手に思って、勝手に恨んで、勝手に勝とうとしている変なおじさんです」
「目障りな奴だな」
「向こうもこちらをそう思ってます」
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知識と度胸と運がないなら、やめたほうがいい。
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