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本当に反省したのだろう、やつの目の下にはクマが出来ておりイケメンが台無しになっている。
きっと何でも与えられる立場であり謝った事がない環境にいたのだろう、次期当主として弱味を見せてはいけないと教えられていたのかもしれない。そんな不器用な子供が精一杯考えて謝罪をしてくれたのだ、これはもう私の負けだ。許すしかないだろう。
「ふぅ。仕方ないですね、許してあげます。」
と笑顔を向けると、奴の目から涙が一筋流れた。流れ出すと止まらないのであろう。顔を隠し俯いてしまった。私は奴の隣に腰掛け直し、私は何も見えてないし聞こえてないからねー。と前置きのセリフを吐きながら、ハンカチを手渡し、奴の頭を撫でてあげた。
流石攻略対象、顔もイケメンであるが、髪の毛でさえふわふわサラサラなのだ。なんとも羨ましい。
しばらくなでなでを続けていると、グルグルグルと。いや、違うよ!私はここの料理を沢山食べてお腹いっぱいだから!と誰に言うでもなく心の中で言い訳をしていると、また、グルグルと奴のお腹がなったのである。何か食べ物を取ってこようかと提案したのだが、首を振って断られる。しかし、なり続ける奴のお腹…
そして、私が奴の誕生日パーティー祝いに持ってきたクッキーの存在を思い出したのだった。本当は会場に入る前にプレゼント預かり所?みたいな所があったのだが、煌びやかな包みを見た私は後悔し、ずっとポケットに入れっぱなしにしていたのだった。
「隼…っと天音さん。ポケットに私の手作りのクッキーがあるのですが、それで良ければ食べられますか?言っておきますが、パティシエが作ったわけでも、お店で購入したわけでもなく、わたしの手作りのクッキーなので、味の保証はしませんよ。」
そういうと奴は頷き、やっと私から離れ顔を上げたのだ。目が真っ赤で痛々しい…
奴はクッキーを受け取ると
「ありがとう。」
と言い、嬉しそうに、そして珍しそうに眺めておりなかなか食べようとしなかった。
「大丈夫ですよ?毒も入っていませんし、私も味見をしましたが食べれるレベルではありましたよ?」
「わかっている。違うのだ。誰が仕事などじゃなく、自分の為に作ってくれた物が初めてで嬉しいのだ。」
と、大切そうに食べてくれた。
「美味しい…こんなに美味しいクッキーは生まれて初めて食べた!あと、天音さんじゃなくて、隼人って呼んで欲しい…」
素直になると奴はとても可愛い。お姉さん可愛さにときめいてしまったよ。等とまたも心の中で呟いていると、隣から寝息が聞こえてきた。
多分クマもあった事から寝不足と、謝って許してもらえた安心感と、泣き疲れたうえに、お腹が満たされて眠ってしまったのだろう。
私は奴を運んであげようと思ったものの、非力であるため断念した。その代わり、靴を脱がせて、足をソファーの上に上げてあげ、ベットにあった布団を被せてあげた。
きっと何でも与えられる立場であり謝った事がない環境にいたのだろう、次期当主として弱味を見せてはいけないと教えられていたのかもしれない。そんな不器用な子供が精一杯考えて謝罪をしてくれたのだ、これはもう私の負けだ。許すしかないだろう。
「ふぅ。仕方ないですね、許してあげます。」
と笑顔を向けると、奴の目から涙が一筋流れた。流れ出すと止まらないのであろう。顔を隠し俯いてしまった。私は奴の隣に腰掛け直し、私は何も見えてないし聞こえてないからねー。と前置きのセリフを吐きながら、ハンカチを手渡し、奴の頭を撫でてあげた。
流石攻略対象、顔もイケメンであるが、髪の毛でさえふわふわサラサラなのだ。なんとも羨ましい。
しばらくなでなでを続けていると、グルグルグルと。いや、違うよ!私はここの料理を沢山食べてお腹いっぱいだから!と誰に言うでもなく心の中で言い訳をしていると、また、グルグルと奴のお腹がなったのである。何か食べ物を取ってこようかと提案したのだが、首を振って断られる。しかし、なり続ける奴のお腹…
そして、私が奴の誕生日パーティー祝いに持ってきたクッキーの存在を思い出したのだった。本当は会場に入る前にプレゼント預かり所?みたいな所があったのだが、煌びやかな包みを見た私は後悔し、ずっとポケットに入れっぱなしにしていたのだった。
「隼…っと天音さん。ポケットに私の手作りのクッキーがあるのですが、それで良ければ食べられますか?言っておきますが、パティシエが作ったわけでも、お店で購入したわけでもなく、わたしの手作りのクッキーなので、味の保証はしませんよ。」
そういうと奴は頷き、やっと私から離れ顔を上げたのだ。目が真っ赤で痛々しい…
奴はクッキーを受け取ると
「ありがとう。」
と言い、嬉しそうに、そして珍しそうに眺めておりなかなか食べようとしなかった。
「大丈夫ですよ?毒も入っていませんし、私も味見をしましたが食べれるレベルではありましたよ?」
「わかっている。違うのだ。誰が仕事などじゃなく、自分の為に作ってくれた物が初めてで嬉しいのだ。」
と、大切そうに食べてくれた。
「美味しい…こんなに美味しいクッキーは生まれて初めて食べた!あと、天音さんじゃなくて、隼人って呼んで欲しい…」
素直になると奴はとても可愛い。お姉さん可愛さにときめいてしまったよ。等とまたも心の中で呟いていると、隣から寝息が聞こえてきた。
多分クマもあった事から寝不足と、謝って許してもらえた安心感と、泣き疲れたうえに、お腹が満たされて眠ってしまったのだろう。
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