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家族旅行(4)
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今日はゆっくり移動しようということとなり、昼食を摂った後、車で京都へ向かった。
夏の京都は暑い。
移動中は窓を開けて外の景色を見て楽しんでいたのだが、途中で根を上げて、車内のエアコンを強めてもらった。
ホテルには到着したのだが、皆暑さにやられてしまい少し休むことにした。
少し日が落ちてきた頃、じっとしておれず、ホテルのプールに入りに行くことにした。のだが、両親は動く気配がない・・・。お兄様と歌恋は一緒に行ってくれるというので、屋上のプールへと向かった。
いざ泳ぐという時になり、上に羽織っていたラッシュガードを脱いで入ろうとなったのだが、歌恋は、
「私はここで待っておきますので2人で泳いできてください。」
と入ろうとしなかった。せっかくプールまで来て、水着にまで着替えているんだから一緒に泳ぎたいとお願いすると、渋々上着を剥いでくれたのだが、その理由がわかった。
私が着ているのは、ワンピースタイプの物だが、歌恋のは、中々際どいビキニの水着だった。心の中でワーオセクシーと思っていると、横でブフッ。という音と、倒れる音がした。
横を見てみると・・・
いつもクールでかっこいい自慢のお兄様が、鼻血を流して倒れていたのだ。口元は少し緩んでいるように見える。何故かそれを見てとても冷静になり、お兄様も男の子だったんだね。と思ったのと同時に、漫画みたいに倒れる人を初めてみれたという感動も覚えた。
2人で運ぶのは無理だったので、係員の人に手伝っってもらい、木陰に移動した。運び終わり、
「お兄様、暑くて上せちゃったのかな。何か冷たい飲み物を買ってくるね。」
とわざとらしく、歌恋のせいじゃありませんよ。夏の暑さのせいですよというお兄様のフォローをしてその場を離れた。
飲み物を3つ運ぶのは中々難しく、ゆっくりと運んでおり、お兄様と歌恋の居るはずの場所をみた。
そこには、歌恋に膝枕をしてもらっているお兄様の姿が・・・。
お兄様が次に目を覚ましたら、大量出血で命の危機さえあると思った私は急いで駆け寄った。
「何が良いかわからなかったので、お兄様にはスポーツドリンク、歌恋にはフルーツジュースにしたけどよかったかな?」
と声をかけた。歌恋はそれで大丈夫と受け取ってくれた。私の目線に気づいたようで膝枕の説明をしてくれた。
「地面では髪の毛が汚れてしまいますし、硬そうだったので、私の膝の方がマシかなと思いまして。」
とのことだった。理由はわかったのだが、お兄様の名誉と命を守らねばと思った。できる妹の私。せめてもと思い、歌恋に上着を羽織ってもらった。
少ししてお兄様は目が覚めたが、歌恋の膝枕と気づいた瞬間再度意識を失ったのはいうまでもない。
鼻血を吹かなかったので、それだけでも私は良い仕事をしたと思う。
プールに折角きたが、私達は今日はプールを楽しめずに戻ったのだった。
夏の京都は暑い。
移動中は窓を開けて外の景色を見て楽しんでいたのだが、途中で根を上げて、車内のエアコンを強めてもらった。
ホテルには到着したのだが、皆暑さにやられてしまい少し休むことにした。
少し日が落ちてきた頃、じっとしておれず、ホテルのプールに入りに行くことにした。のだが、両親は動く気配がない・・・。お兄様と歌恋は一緒に行ってくれるというので、屋上のプールへと向かった。
いざ泳ぐという時になり、上に羽織っていたラッシュガードを脱いで入ろうとなったのだが、歌恋は、
「私はここで待っておきますので2人で泳いできてください。」
と入ろうとしなかった。せっかくプールまで来て、水着にまで着替えているんだから一緒に泳ぎたいとお願いすると、渋々上着を剥いでくれたのだが、その理由がわかった。
私が着ているのは、ワンピースタイプの物だが、歌恋のは、中々際どいビキニの水着だった。心の中でワーオセクシーと思っていると、横でブフッ。という音と、倒れる音がした。
横を見てみると・・・
いつもクールでかっこいい自慢のお兄様が、鼻血を流して倒れていたのだ。口元は少し緩んでいるように見える。何故かそれを見てとても冷静になり、お兄様も男の子だったんだね。と思ったのと同時に、漫画みたいに倒れる人を初めてみれたという感動も覚えた。
2人で運ぶのは無理だったので、係員の人に手伝っってもらい、木陰に移動した。運び終わり、
「お兄様、暑くて上せちゃったのかな。何か冷たい飲み物を買ってくるね。」
とわざとらしく、歌恋のせいじゃありませんよ。夏の暑さのせいですよというお兄様のフォローをしてその場を離れた。
飲み物を3つ運ぶのは中々難しく、ゆっくりと運んでおり、お兄様と歌恋の居るはずの場所をみた。
そこには、歌恋に膝枕をしてもらっているお兄様の姿が・・・。
お兄様が次に目を覚ましたら、大量出血で命の危機さえあると思った私は急いで駆け寄った。
「何が良いかわからなかったので、お兄様にはスポーツドリンク、歌恋にはフルーツジュースにしたけどよかったかな?」
と声をかけた。歌恋はそれで大丈夫と受け取ってくれた。私の目線に気づいたようで膝枕の説明をしてくれた。
「地面では髪の毛が汚れてしまいますし、硬そうだったので、私の膝の方がマシかなと思いまして。」
とのことだった。理由はわかったのだが、お兄様の名誉と命を守らねばと思った。できる妹の私。せめてもと思い、歌恋に上着を羽織ってもらった。
少ししてお兄様は目が覚めたが、歌恋の膝枕と気づいた瞬間再度意識を失ったのはいうまでもない。
鼻血を吹かなかったので、それだけでも私は良い仕事をしたと思う。
プールに折角きたが、私達は今日はプールを楽しめずに戻ったのだった。
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