断罪なんて嘘でしょ!?

あい

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体育大会(1)

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 体育大会当日いつもより早く起き、お兄様と一緒に学校へ向かう。道中、細かな打ち合わせなどをして、注意点などを話し合う。細かく決めていても、予期しない事は起こるから臨機応変に動く事!とお兄様に言われた。確かにそうだなとその言葉をしっかりと受け止めた。そうして、私の生徒会執行部になってから初の大仕事の体育大会が開催されるのだった。

 朝教室に荷物を置きにいった際には特に変わった様子はなかったのだが、問題はそれからしばらく経ち生徒が揃ってきた頃起こった。

  
  主人公ちゃんの衣装だけがズタズタに切り裂かれ、「海里様に近づくな。一般人が調子に乗るな」と書かれた紙と一緒に机の上に置かれていたのであった。

 何故主人公ちゃんの物かと分かったのかといえば、各自自分のがわかるように少しアレンジをしたり名前を入れていたのだ。主人公ちゃんの物にも名前が入っていたのだ。


 ダンスの衣装は各自作成することになっており、衣装や旗など必要なものは各組ごとに割り振られた空き教室に入れていた。しかし、随分前に今回と同じようなことがおこり、その時は被害がもっと大きかったようなのだが・・・。犯人は隣のクラスの生徒だったそうだ。そのため、割り振られた教室には鍵がかかっており、その鍵は1組なら1組の人の顔認証となっているので、他のクラスの人達が立ち入ることが出来なくなっていたのである。だから、今回は隣の組の出し物を台無しにしてやろうとかいう物ではなく、1人の人を貶めるおとしめることだということが。より一層悪質な物である。


 その話は助けを求め駆け込んできた生徒から聞き、聞いていた生徒会メンバーで現場に向かった。


 その現場は1事で言い表せば残酷な光景だった。

 衣装がズタズタに切り裂かれており、とてもじゃないが、着れるものではなくなってしまっていた。

海里は自分のせいで主人公ちゃんが被害を受けたことに激昂してしまい、怒鳴っているようだった。駆けつけた隼人がいち早く

「海里。今すべきことは、犯人かどうかもわからない周りの人に怒りをぶつけることなのか?」

と海里を宥め、海里は冷静さを取り戻したようだった。

 最近はゲームと違っていることが多かったので、忘れてしまっていた。悪役令嬢の私さへ主人公ちゃんに何もしなければ平穏な学校生活を送れる物だと思ってしまっていた。確かにゲームでは悪役令嬢が主人公ちゃんの衣装を台無しにするシーンがあったというのに。

 それを忘れてしまい平和ボケしてしまっていた私は、海里との2人での特訓をお願いしてしまったのだ。

 誰かに見られた時に学校外で2人でいるよりも、学校内で2人で練習していた方が良いと思っていたし、その事を疑ってもいなかった。

 私の周りには悪意のある人たちがいなかっただけなのだ。学校は大丈夫な場所だとたかを括ってしまっていた。私に関してはお兄様や周りの力のある人達の影響や家がお金持ちという事で、手を出したくても出せない存在だっただけなのかもしれない。
 
 でも、主人公ちゃんは違うのだ。主人公ちゃんは何の後ろ盾もなかったのだ。私が色々配慮してあげなくてはいけなかったのに、自分は守られていたから、守らなくてはいけないということに気づけなかった。

 きっとこれまでにSOSを出していただろう。それにも気づくことができなかった。

 私の初めての友達なのに。友達を危険な目に合わせてしまうなんて。主人公ちゃんと海里の2人で自主練をするように促してしまったのは私だ。それがきっかけなのであれば、犯人は私と言われても仕方がないことかもしれない。本当に私はなんて最低な事をしてしまったのだろう。
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