断罪なんて嘘でしょ!?

あい

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海里の誕生日(2)

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 「はい。今日は海里様の誕生日じゃないですか?いつも委員会でお世話になっているし、私の誕生日にプレゼントを頂いたので何かお返しをしようと思っていたんです。でも何にしたらいいのかわからず、お金もなく、何も買えなかったんです。それならお菓子でもと思って挑戦したんです、しかし初めての経験だったので、ことごとく失敗してしまって。結局何も準備できなかったんです。」

 と泣き出してしまった。泣く意味は理解できないものの、そんなに気にしなくて良いと伝える。

 こういうのは気持ちが大切だから、恵子ちゃんが海里に喜んで欲しいと思って選んだり作ったりした物であれば、そこらに落ちている石でもきっと喜びますよ。

 と。石は言い過ぎかもしれないが、あながち外れてもいない気がする・・・。

 
 「ありがとうございます。でも、仲の良い有紗さんなら海里君の欲しいものや好きな物を知っているのではないかと思って。よろしければ教えていただけませんか?」

 「私の意見で良いの?今日私があげたプレゼントを海里はあまり嬉しそうにしていなかったけれど・・・?」

 「何か探すヒントにでもなれば良いんです。お願いします。」

 「そうだなー。ずっと身に付けていられる物か、普段使う物が良いんじゃないかなと思います。そして、海里にはあまり人に言っていない趣味があるんですよ。それはガーデニングです。花を育てるのが好きなんだそうなので、花を送っても喜んでもらえると思いますよ。」


「ありがとうございます。もう一度海里様に似合いそうな物を探してみます。誕生日に渡せなくなってしまうのに受け取ってくれるでしょうか?」

 大丈夫だよ。きっと喜ぶよ。と笑顔で答える。主人公ちゃんは安心したようだ。

「そう言えば、失敗したお菓子はどうしたんですか?一応持ってきていたりしないんですか?」

 尋ねてみるとやはり、失敗はしたが持ってきてはいるようだ。見せてもらう。


 うん。思ったより何と言ったら良いのか・・・。独創的な作品になっている。見た目からつけるとしたら、作品名は炭だろう。

 今度作る時は私が教えるよと約束した。


 その捨てる事になるであろうお菓子をもらった。周りを削ったら食べられるかもしれないのでと説得しゲットした。


 そんな話しをしていると、丁度予鈴のチャイムがなったので主人公ちゃんと一緒に教室へ戻った。

 海里が朝から主人公ちゃんから何かもらえないかとソワソワしていたのを知っている。そして主人公ちゃんは何をあげたら良いか迷ってしまい結局何も準備できなかったことも知っている。

 ここは両方の事情を知っている私が手助けしてあげようではないか。

 折角の誕生日様なのに親友からも、意中の相手からも何も貰えないのは可哀想なので、海里に主人公ちゃんの失敗のお菓子をこっそり渡す。

 「誰とは言えませんが、今日海里の誕生日と知っていてプレゼントを渡したかった人がいたようなんです。渡したかったけど失敗しちゃって、結局何も準備できなかったそうなんですが・・・。で、さっき渡したのは失敗しちゃったお菓子なんです。多分クッキーを作りたかったのではないかと思うんですが、焼きすぎちゃったようですね。何も貰えなかったと思うよりも、何かは貰えた方が嬉しいかと思いまして。でも、焦げているものは発癌性物質があると聞きますし、もし食べるのであれば焦げている部分は避けて食べてくださいね。」


 海里はそれが誰が作った物かわかったようで、天使のような笑顔で微笑んでいた。


 良いことをした日は気分がいいなー。


 海里はクッキーを食べたそうなのだが、1日トイレから出れずに過ごしたのはまた別のお話。
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