【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

海月 ぴけ

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俺から見た君は

逃れたい苦しみ

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昼休みになって、俺はすぐに屋上へと向かった。

もう何も見たくなかった。

休み時間のたびにスナに触れる八谷と、それを拒絶しないスナ。

俺の時とは違って、八谷の言葉にスナがちゃんと受け答えをしている。

繋がれた2人の腕を見て、俺は視線を逸らした。

角の日陰に入り、そのまま溢れ出す涙を袖で拭う。

やっぱりこうなるんだ。俺が入り込む隙なんて喧嘩した時の慰め要員なんだろ。

勢いでゲイアプリを開き、通知を確認する。


『いつ会いますか?』

数日前に来ていたメッセージだ。
俺はすぐさま返信を返す。

『今日会えませんか?』


もしも来なければ違う人でいい。
誰でもよかった。ただこの心の穴を埋めたい一心で、俺は相手を探す。

こういうアプリなら体の関係も迫られるかもしれない。だけどこの苦しさから少しでも解放されるならそれでもよかった。

ピコンと音がして、俺は感情のない目でメッセージを開いた。


『お久しぶりです。連絡してくださり嬉しいです。夜でもいいですか?20時以降なら空いてます。』

あぁ、ちょうどいいな。

『はい、大丈夫です。』

『なら場所は、▲駅のーー』


俺はスタンプで了承の旨を伝えると、その場で三角座りをして、顔を伏せた。


そういえば夏樹と夕飯を食べる約束だった‥夏樹と解散した後で会うか‥今日は1人になりたくない。

逃げてもいいと、夏樹は言った。俺も心底そうしたいよ。

逃げても逃げても目に入ってくるんだ。いっそクラスが違っていたらよかったのに。

昨日、スナと過ごすんじゃなかった。放っておけばよかった。

八谷と話すスナの顔を見れない。見てしまったら心が壊れる気がしたから。

それを察して、今日は夏樹が俺をよく構う。慰めてくれているのだろう。だけど、こんなことで落ち込む自分が申し訳なくて夏樹を置いて出てきてしまった。
夏樹だってスナのことが好きだったから、今は割り切っていたとしても少しは気まずいはずなのに。俺のことばかりで本当に優しい奴だ。

そよ風が頬を撫でる。校庭で誰かの笑い声がして、俺は目を瞑った。

いっそ出会わなければよかったのに。

俺が恋心さえ抱かなければ‥うまくいっていたはずなのに。

忘れたい。消してしまいたい。迷惑をかけてる。こんな想いなんていらない。

消えてくれ、頼むから‥


俺の思いとは裏腹にガチャリと屋上の扉が開く音がして、俺は胸騒ぎで体を震わせた。


「‥早川」


「‥スナ‥八谷‥」


頼むから‥消えてくれよ‥


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