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俺から見た君は
恋の終わりのはじまり
しおりを挟む中学3年の卒業式は雪が降った。
涙を流したり、記念写真を撮る面々を横目に、俺と彼はいつもの帰路を歩く。
たわいのない話をしながら、肌寒そうに白い息を吐く彼の横顔はすごく綺麗で、思わず見惚れてしまっていた自分に、彼は首を傾げて優しく笑いかける。
この3年間、彼への想いを隠し続けていた俺は、覚悟を決めるために大きく深呼吸をした。
今日は必ず、彼に気持ちを伝えるんだ。
眼鏡を外しコンタクトを入れ髪もセットした。メイクだって動画で学んで少しは小綺麗になっていると思う。
雪が積もっているから、自転車を押してふたりで帰路を歩く。
「あーあ、こんな時間がずっと続くといいなー。」
ふいに彼がそんなことを言うから、俺はなんだか胸が温かくなって、期待を含んだ笑顔で口を開いた。
「何感傷的になってるんだよ。同じ高校なんだから嫌でも顔を合わせるだろ。」
俺と一緒にいたいって思ってくれてるのかな。そうだと嬉しいな。もしかして少しは俺と同じ気持ちだったりして。早く、早くこの想いを伝えたい。
「はは、そうだよなぁ‥。
なぁーーー早川、」
「なに、スナ?」
彼に呼ばれて、ドキドキと高鳴る心臓。緊張で汗ばむハンドルをギュッと握りしめる。
今、伝えようか?今ならきっと
「絶対にお前は俺を好きにならないでくれよーーーー、」
頭が降り積もる雪のように真っ白になって、俺は前を歩く彼の背中を見ることなく、
あぁと、軽く返事を返した。
いつも通り彼の家が見えてきて、そこに見知らぬ顔の少年が立っているのに気づく。
同じ中学の制服。俺より小柄で子犬みたいな可愛らしい顔立ちの男。
彼の名を親しげに呼んで、こちらに手を振っている。
「誰?」と尋ねようとして、彼の顔を見た瞬間、胸の奥底が凍えるのを感じた。
彼が優しく目を細めていた。宝物を見つめるように愛おしそうに優しくーー。
その日、俺は何事もなく家に帰って、布団にうずくまり、声が枯れるまで泣いた。
自分の恥ずかしい勘違いに気づいてしまったから。
彼が望むのは友人という立場の俺だった。
彼の隣にいたい。特別になりたい。1番になりたい。
彼が、ーー。
次の日の朝、1人部屋でこう思った。この想いを決して口に出してはいけない。そう心に誓って
俺は彼と同じ高校に入学した。
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