聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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光る集団

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 眩しい反射に目を細めながらも、あえて口には出さないよ。
 人はそれぞれだからね。─────ちょっと、シロ君。糸目になりなさんな。

「隊長っ!ニルスだけずるいですっ!」

「俺達にも『かみさま』の慈悲にすがりたいですっ!」

 ─────ニルス?『かみさま』? あああ、気を抜いて『治癒』の範囲を散らかしまくった結果、髪生えちゃった人か!

「落ち着けお前ら」

「これが落ち着いていられますか!?あいつ「悪いが、同盟は抜けさせてもらう」って言いながら、髪かきあげるんですよっ」

「こんな機会、もうないですよねっ!」

『なに?どうしたのこの人達?知ってます?』

 いつの間にか帽子を被ったお姫さんが、私にコソコソ聞いてくる。
 昨夜のやらかしをかいつまんで説明すると、お姫さんは雑用係の少年を呼び寄せ、昨日まであった指の傷を確認する。─────ココです。ここにありました。
 今や跡かたもなく綺麗になった指をさして、これぐらいと指で長さを少年は説明するが、その長さ1.5センチ

「‥‥‥‥え。切り傷治すのにドンだけ‥‥‥‥」

「─────いやほら、まだ経験値がないからね?こうぱぁーと広がっちゃってね‥‥‥‥」

   ちょっと気抜いて、範囲が広がっちゃいました~と白状する。
 シロ君、あきれて鼻を鳴らさないで、そしてお姫さん。布や仮面に隠れてても、半目になっているのは分かるわよっ!

「で、でも、お姫さんも『聖女』なんだから行けるでしょ?」

「切り傷はできますよ?でも『毛根復活はムリ』」

 変なとこ日本語で返してきたな、ドア付近のキラキラ反射に気を使ったんだな。 

「あと、『呪詛』受けてから、聖女の能力が半分以下になってるんです。結構レベル上げてたのに、やれる事に制限がかかってるし‥‥‥‥」

 そう言ってがくりと頭を落とす。
 そうか、『呪詛』なんだから、何かしらの制約を課せられているのか。 

 『鑑定』で見たら何か出るかな?それても『ナビ』に聞いてみるか?

「貴方たち、いい加減静かになさいっ」

「そんなっ!フリート様だって『かみさま』の慈悲いただいてるじゃないですかっ!」

 ─────え、あの人薄かったの?
 そんな風には、見えなかったんだけど‥‥‥‥悩んでたんだ~意外~「違いますよ」あれ、思考を読まれた。

「フリート様は、視力が良くなったんです~」

「だから彼、眼鏡してなかったのね‥‥‥‥」

 ─────あれ、彼は眼鏡君だったのか。知らんかった。

「ちなみに聖女は、視力回復なんか出来ませんから。‥‥‥‥なんか、お姉さんなら『呪詛』解呪できる気がしてきました」

 ため息をつくと、はっと何かに気づいたようだ。

「─────ひょっとして、欠損回復もできたりします?」

「欠損‥‥‥‥」

 思い浮かぶのはフェンリル母さんのニヤリ顔。あの時、歯は元通りになっていた。

「一回だけある‥‥‥‥」

『マジっ!?やった!私じゃ本来の力でもムリなの。お願いっ!!』

 戸惑う私置いてきぼりで、お姫さんは扉付近にたまった隊員たちに駆け寄って、指示を飛ばし始めた。なにやら大事になる予感。

「いやいや、そんな期待されても‥‥‥‥」

 あれは偶然だったから、そんな期待値のハードルを上げられると、自分としてはちょっと困る。

「もうすぐ、ミウの実を使ったお菓子が出来上がるんです~頑張りましょう~」

「はいっ!よろこんで~」 

  ─────秒で落ちた私に、ぷしっとシロ君の鼻息が飛んできた。
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