聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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どうしよう

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「それからこちらが~ご所望の『焼肉定食』?です~」

「─────おおぅっ!」

 コトッとワンプレートで前に置かれたのは、ちょっと色合いが違うが、何と言われれば『焼肉定食』だ。 米はないが、パンが添えられていて、小ぶりのスープも付いてる。洋食タイプの定食みたいだ。

「なんだ、お前さん。それが食いたかったのか?」

「そりゃぁ、もうっ」

 ワクワクしながら、お肉ちゃんをいただく。箸がないからフォークでいただきます。うま───い。

 うまうま~とせっせと食べていると。おっさんは、少年から肉を受け取っていた。

「あれからお姉さんの作り方を真似て、みんなで作ってみたんですけど、味見してくださ~い。あ、ちゃんとマールさんが下ごしらえしましたから、大丈夫ですよ~」

 さらに追加されたのは、『フライドポテト』。
  まあ、水にさらして揚げるだけのお手軽料理だからね。芽さえ気を付ければね。

「いい匂いだの。コレは何だ?」

「お姉さん曰く『フライドポテト』です~『ジャ・ガ・イモン』のフライですよ~」

「‥‥‥‥あ、あれは腹壊す奴じゃ‥‥‥‥」

「お姉さんに理由を教えてもらったので~食べても大丈夫になりました~」

 おっさんはビビッていたが、シロ君が一本づつ器用にヒョイパクしているのを見て、覚悟を決めたようだ。

「ほほう、これはまた‥‥‥‥」

 一言呟いて、もっもっと次々口に入れる。
 ─────ほうら、信者がまた一人‥‥‥‥。

「あ、そう言えば。それは何?」

 チョイチョイと首元を指す。

「─────これか?」

 首元から細いチェーンのような物を引っ張り出す。そこにタグのような物が二枚通されていた。

「これはまあ、身分証のような物だな。隊員ならば、名前と所属と階級。冒険者ならば、名前とランクとかが刻まれている。ワシはどちらにも登録してある、ちと特殊な部類じゃが」

 ─────ほうほう。だから二枚あるわけね。

「ぼくもありますよ~」

 少年が見せてくれたのは、一枚のタグ。

「これには護法が掛かっておってな。これが外れるのは、引退した時じゃな」

「引退したんじゃなかったの?」

「じゃから、特殊例だと言ったじゃろ」

─────へ~、そうなんだ。よく分んないけどおっさん、伊達に歳食ってないて事だよな~。

「お主、変な事考えておらんか?」

─────やべぇ。顔に出てたか?ホホホホと誤魔化す。

「まあ後は、冒険者なんかは、それを拾ったらギルドに届ける義務がある。─────行方不明のままじゃな‥‥‥‥」

 一応食事中なので、おっさんなりに直接の表現は避けてくれた。

 なるほど、冒険者なんかは途中で死亡、全滅するケースもあるわけだ。それで、新たな冒険者が死体を見つけた場合、死体などはその場で埋葬し、タグを持ち帰って詳細を報告する事になるらしい。
 そうすることで、クエスト実行中から死亡者になるわけだ。

 ‥‥‥‥ん?タグ?‥‥‥‥

「─────どうしたんじゃ?」

「─────あ~えっと‥‥‥‥これ、どうしよう‥‥‥‥」

 ザラァと机の上に、こんもりと積み上げられた、タグの山。 
 
 あれだ、目がやられる柱が現れた時、押し付けられたやつの一部。盗ったわけじゃない。押しつけられたのだ。

「‥‥‥‥お主‥‥‥‥まさか‥‥‥‥」

 おっさんの驚愕の顔に、誤解されている事を悟る。

「ち、違うよっ!コレは拾ったのっ!」

 投げつけられたのを、ブツブツ言いながら拾ったのだ。

 ─────うん、間違いない。
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