聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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自分はモテなかった‥‥‥‥

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 なんとか服を引ん剝く姫さんをウィル少年から引き離したが、今度は私にアルコールの入った酔っ払いの様に絡んでくる。

「ズルいです~~ズルくないですか~。私も自分だけのモフが欲しいです~リオさん~」

 ‥‥‥‥それは私に言われても知らんよ。

「モフが欲しいなら、ほら、犬とか猫とかペット枠がいるじゃん」 

「愛玩動物じゃなくて、モフ従魔枠が欲しいんです~」

 さらっと『モフ』を入れてきたな。そして『愛玩』と『従魔』の区別がわからん。君は可愛いモフが欲しいだけじゃないのか?
 久しぶりに『ナビ』を起動させようか‥‥‥‥。

 ─────というか、なんで私に『従魔』おねだりするんだ?その辺のシステムなんか、私が知ってるわけないじゃん。そう言うと

「だって、リオさんと一緒に出掛けだけで『従魔』を連れて帰ってくるっておかしくないですか?絶対何かしましたよね?」

 ─────無実です。私は何もしてません。『従魔狩り』なる悪党がいただけです。 
 黙ってないで、何か言いなさいよオーラをおっさんに向ける。 

「あ~姫様。ワシらの『従魔』はギルドにいた時の事故のようなもんなんじゃ。嬢ちゃんが特段何かしたわけでもないんじゃ‥‥‥‥たぶん‥‥‥‥な」

 そうそうと頷いていたら、最後に「たぶん」が付いた。─────なぜに?私何もしてないよね?
 そしてサラさんや。無言で圧をかけるのは、おやめください。ギルド周辺にフリーの『従魔』が氾濫したのは私のせいじゃないです‥‥‥‥そうだよね?

「‥‥‥‥リオさん、まさかシロ君以外にも連れてませんよね‥‥‥‥?」

 それを聞くか‥‥‥‥。
 周りの冒険者達はそれなりに相性が良かったのか、新規の『従魔』が付いた人たちがいたが、私の所には誰も来なかったさ‥‥‥‥。
 なんならシロ君の方が、モテてた感じがあったよな‥‥‥‥ぐすん。

ふっと黄昏ていると、姫さんの『おかめ』が視界に入った。

「─────あ、そうだ。姫さんの『それ』取るつもりだったんだ」

 ─────ぴきっとその場にいた全員が固まった。

「─────そ、そ、それとは‥‥‥‥」

 おそるおそるといった感じで、サラさんが確認してくる。

「─────え?頭の『それ』」

「えっえっ─────えっ!?いけるのですか!?」

「『解呪』ができるのかっ!?」

 一気にざわつき始める一同。
 まあ、私も出掛ける前までは、無理やりやると頭がもげるという無理ゲー方法しかなかったが。

「なんたってご本人が、わざわざ目の前に来てくれたからね~ヒント情報をいただいたのさ~」

 ─────私じゃないけどね。なんと気を利かせた『ナビ』さんが、奴からデータを読み取っていた。『ナビ』さんメッチャ優秀っ!

「まあ、『解呪』じゃなくて『返す』のだけどねっ!姫さんにとって結果は一緒いっしょっ!今夜は露天風呂でまったりしようや~」

 固まった一同の中、姫さんがいち早く起動した。

「露天風呂!?─────そう言えばさっき、あの人がお風呂の外壁付近に落ちてましたけど‥‥‥‥」

「アレはいいの!─────ぺっよぺっ」

 ─────公然猥褻のストーカー野郎は、捨てておけばいいのっ!
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