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‥‥‥‥もぐぞ
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「お、おい、何の音だよ!」
「わかんねぇよ!叫び声も聞こえたけど、この扉開かねぇんだよ!」
閉じられた扉の前には、二人の護衛がちゃんと待機していた。
異変を敏感に気付きいち早く扉飛びついた二人だが、異常が発生したと思われる部屋の扉はビクともしなかった。
「おいこれ、どうなってるんだよ!」
「中には二人だけだよな?」
「あの人が入る前に、フェンリルが入っていったじゃねぇか?」
「メイドの二人が出て行っただけだから、中には二人とフェンリルだけだ」
響いてきたのは明らかに男の声だった。
室内には護衛対象である高貴なご身分のお姫様。
異常事態に普段であれば、抜き身の剣と共に突入すべき事案ではあるが‥‥‥‥。
「でもあの人いるよね‥‥‥‥」
「‥‥‥‥中にあの人いるよな‥‥‥‥」
二人の脳裏にはフェンリルと共に現れた黒服の人物‥‥‥‥。扉が開かない仕様はその人物の仕業と思えた。
「まさかとは思うけど、あの人‥‥‥‥」
「いやいや違うだろ。あきらかに男の叫び声だったろ?」
「確かに」
しかし、引けど押せど壁の様にピクリともしない扉。 二人でうんうん唸っていると、扉の向こうから尋常じゃない気配を感じ、慌てて扉付近から退避する。
ドンっ─────!!
鈍い音と共に今まで開かなかった扉が、まるでガラスの様に割れて辺りに破片が散らばった。
─────と同時に何か布の塊が、部屋の外に放り出される。
よくよく見ればそれは人一人を布でぐるんぐるんのガチガチに丸めた姿であった。
辛うじて隙間から顔が覗いている。
「─────何をするんだ!私は至極純粋無垢な心で!フェンリル殿を愛でに来ただけだっ!!」
布の絡まりから放たれた声は、例の招かれざる客人の従者であった‥‥‥‥。
招かれざる人物に、更に従者が追加されたのは報告で聞いてはいた。
任務に忠実で、自分の主人以外は無関心無表情だと聞いていたのに‥‥‥‥
‥‥‥‥何してんの、‥‥‥‥この人。
あまりの出来事に二人が固まっていると、室内からコツコツと靴音を鳴らしながら、黒服の人物が不穏な気配を漂わせながら部屋から出てきた。
その手には、腰に下げていた抜き身の剣が握られている。
真っ白を通り越した刀身は、それを持つ人物を含め鋭い光を放っていた。
「‥‥‥‥私の弟に付きまとうなんて、ふてぇ野郎だな。それ以上なめた口きくと‥‥‥‥」
─────もぐぞ‥‥‥‥
ギラリと光る刀身と共に、─────ぞんっと重く冷たい空気が降りる。
「わうわうっ!わうわうわうわうっ!(おい!母上の分身でくだらないモノを切るなっ!)」
空気を読まないフェンリルが突然吠え出し、同時に重い空気が瞬時に取り除かれる。
「えぇ~それもそうか~。じゃあ全身剝いて、森のなかに吊るし「あ~、リオさん。デザート持ってきましたけどいかがです~?」えっ、本当!?うれしい食べる食べる!!─────アンタ邪魔っ!」
─────哀れ簀巻きの侵入者は、従者の少年の道を開けるために、思いっきり蹴り飛ばされ目を回した。
「わかんねぇよ!叫び声も聞こえたけど、この扉開かねぇんだよ!」
閉じられた扉の前には、二人の護衛がちゃんと待機していた。
異変を敏感に気付きいち早く扉飛びついた二人だが、異常が発生したと思われる部屋の扉はビクともしなかった。
「おいこれ、どうなってるんだよ!」
「中には二人だけだよな?」
「あの人が入る前に、フェンリルが入っていったじゃねぇか?」
「メイドの二人が出て行っただけだから、中には二人とフェンリルだけだ」
響いてきたのは明らかに男の声だった。
室内には護衛対象である高貴なご身分のお姫様。
異常事態に普段であれば、抜き身の剣と共に突入すべき事案ではあるが‥‥‥‥。
「でもあの人いるよね‥‥‥‥」
「‥‥‥‥中にあの人いるよな‥‥‥‥」
二人の脳裏にはフェンリルと共に現れた黒服の人物‥‥‥‥。扉が開かない仕様はその人物の仕業と思えた。
「まさかとは思うけど、あの人‥‥‥‥」
「いやいや違うだろ。あきらかに男の叫び声だったろ?」
「確かに」
しかし、引けど押せど壁の様にピクリともしない扉。 二人でうんうん唸っていると、扉の向こうから尋常じゃない気配を感じ、慌てて扉付近から退避する。
ドンっ─────!!
鈍い音と共に今まで開かなかった扉が、まるでガラスの様に割れて辺りに破片が散らばった。
─────と同時に何か布の塊が、部屋の外に放り出される。
よくよく見ればそれは人一人を布でぐるんぐるんのガチガチに丸めた姿であった。
辛うじて隙間から顔が覗いている。
「─────何をするんだ!私は至極純粋無垢な心で!フェンリル殿を愛でに来ただけだっ!!」
布の絡まりから放たれた声は、例の招かれざる客人の従者であった‥‥‥‥。
招かれざる人物に、更に従者が追加されたのは報告で聞いてはいた。
任務に忠実で、自分の主人以外は無関心無表情だと聞いていたのに‥‥‥‥
‥‥‥‥何してんの、‥‥‥‥この人。
あまりの出来事に二人が固まっていると、室内からコツコツと靴音を鳴らしながら、黒服の人物が不穏な気配を漂わせながら部屋から出てきた。
その手には、腰に下げていた抜き身の剣が握られている。
真っ白を通り越した刀身は、それを持つ人物を含め鋭い光を放っていた。
「‥‥‥‥私の弟に付きまとうなんて、ふてぇ野郎だな。それ以上なめた口きくと‥‥‥‥」
─────もぐぞ‥‥‥‥
ギラリと光る刀身と共に、─────ぞんっと重く冷たい空気が降りる。
「わうわうっ!わうわうわうわうっ!(おい!母上の分身でくだらないモノを切るなっ!)」
空気を読まないフェンリルが突然吠え出し、同時に重い空気が瞬時に取り除かれる。
「えぇ~それもそうか~。じゃあ全身剝いて、森のなかに吊るし「あ~、リオさん。デザート持ってきましたけどいかがです~?」えっ、本当!?うれしい食べる食べる!!─────アンタ邪魔っ!」
─────哀れ簀巻きの侵入者は、従者の少年の道を開けるために、思いっきり蹴り飛ばされ目を回した。
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