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こちらお城です。3
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今だ興奮気味に泣き叫ぶ鳥型魔獣は、鋭い爪に長い光輝く尾が垂れさがり、頭部から風になびくであろう鬣の様な立派な冠羽。全身はほんのり白く光りを帯びていた。
鋭い真っ黒な爪が無ければ、魔獣とはわからない姿だ。
そしてその胴体の背中には─────小さな鞄が取り付けられていた。
「‥‥‥‥これは」
ピィヤァ─────ピィヤァ─────降りてからも全力で泣き叫ぶ魔獣。
カシカシと括り付けられた鞄のベルトを足で引っ掛け、取らんかいっ!はよコレ外せやワレェっ!とばかりに不満爆発で騒ぎまくる。
慌てて宰相が鞄のベルトを取り外すと、ワサワサと全身を振るい、─────ふんっまあ良かろう。と言わんばかりに静かになった。
宰相がチラリと鞄の内側に施された紋を確認し「間違いなく本人ですね」と小さく呟く。
─────うむ。と無言で頷いた。自分の腕に、のしんっと止まっている魔獣の足には、あ奴の印章が刻まれていた。
この世で一つしかない、私自らの手で送った紋だ。
「─────陛下っ!」
衛兵が報告したのであろう、騎士団の副団長であるガルスが、部下を引き連れてこの場になだれ込んできた。
「コレは何事ですか─────その魔獣は」
「見てみよ」
のしん、と止まっていた鳥型魔獣は、ガルスの姿を見るや用は終わったとばかりに、私の腕からガルスの方へバサバサと飛んでいく。
鳥型魔獣は、ガルスの腕につけられた籠手の上になんなく止まった。
「え、─────あ、まさか‥‥‥‥」
目のいいガルスはその魔獣の足に付けられている印章に気付き、信じられない面持ちでマジマジと遠慮なく自分の腕に乗ってきた従魔を見やる。
─────再起不能の人間に、従魔は従わない。
自分を従える能力が低下したと判断すれば、従魔はさっさと立ち去る。
生涯共にする場合もあるが、その場合は従魔自身も老いて寿命が近い場合のみ。
見る限り現役バリバリで、力がみなぎっている感じのこの従魔が存在するという事は、主である人間も五体満足で、従魔を従えることのできる程の活力がみなぎりまくっている証拠。
「仕事の報酬に、いい肉を与えてやれ」
「─────は、はいっ!」
‥‥‥‥自分の父は、無事なのだ。
「従魔が運んできた物はこちらで確認する。お主も気になるであろう、後で部屋へ来るといい」
「─────はっ!ありがとうございま─────イデェっ!」
つい、従魔が止まっている腕で敬礼をするガルス。
いきなり止まっていた腕が動き、テメェなにしてくれとんじゃワレェっ!とばかりに今度は頭にとりついた従魔。
コレいらんやろ!とばかりに髪をグイグイ引っ張りにかかった。
「─────いてぇっ!ちょっと待って!やめてくれぇぇぇ」
若いガルスの頭には、まだふさふさの髪が生えていた。だが自分の父親は見事にないのだ。年々自分の頭髪に不安を覚えるのは必然。
─────遺伝は怖いのだ。
鋭い真っ黒な爪が無ければ、魔獣とはわからない姿だ。
そしてその胴体の背中には─────小さな鞄が取り付けられていた。
「‥‥‥‥これは」
ピィヤァ─────ピィヤァ─────降りてからも全力で泣き叫ぶ魔獣。
カシカシと括り付けられた鞄のベルトを足で引っ掛け、取らんかいっ!はよコレ外せやワレェっ!とばかりに不満爆発で騒ぎまくる。
慌てて宰相が鞄のベルトを取り外すと、ワサワサと全身を振るい、─────ふんっまあ良かろう。と言わんばかりに静かになった。
宰相がチラリと鞄の内側に施された紋を確認し「間違いなく本人ですね」と小さく呟く。
─────うむ。と無言で頷いた。自分の腕に、のしんっと止まっている魔獣の足には、あ奴の印章が刻まれていた。
この世で一つしかない、私自らの手で送った紋だ。
「─────陛下っ!」
衛兵が報告したのであろう、騎士団の副団長であるガルスが、部下を引き連れてこの場になだれ込んできた。
「コレは何事ですか─────その魔獣は」
「見てみよ」
のしん、と止まっていた鳥型魔獣は、ガルスの姿を見るや用は終わったとばかりに、私の腕からガルスの方へバサバサと飛んでいく。
鳥型魔獣は、ガルスの腕につけられた籠手の上になんなく止まった。
「え、─────あ、まさか‥‥‥‥」
目のいいガルスはその魔獣の足に付けられている印章に気付き、信じられない面持ちでマジマジと遠慮なく自分の腕に乗ってきた従魔を見やる。
─────再起不能の人間に、従魔は従わない。
自分を従える能力が低下したと判断すれば、従魔はさっさと立ち去る。
生涯共にする場合もあるが、その場合は従魔自身も老いて寿命が近い場合のみ。
見る限り現役バリバリで、力がみなぎっている感じのこの従魔が存在するという事は、主である人間も五体満足で、従魔を従えることのできる程の活力がみなぎりまくっている証拠。
「仕事の報酬に、いい肉を与えてやれ」
「─────は、はいっ!」
‥‥‥‥自分の父は、無事なのだ。
「従魔が運んできた物はこちらで確認する。お主も気になるであろう、後で部屋へ来るといい」
「─────はっ!ありがとうございま─────イデェっ!」
つい、従魔が止まっている腕で敬礼をするガルス。
いきなり止まっていた腕が動き、テメェなにしてくれとんじゃワレェっ!とばかりに今度は頭にとりついた従魔。
コレいらんやろ!とばかりに髪をグイグイ引っ張りにかかった。
「─────いてぇっ!ちょっと待って!やめてくれぇぇぇ」
若いガルスの頭には、まだふさふさの髪が生えていた。だが自分の父親は見事にないのだ。年々自分の頭髪に不安を覚えるのは必然。
─────遺伝は怖いのだ。
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