聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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見た事あったよ

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 「あれが、ここの領主だよ」

 ほ~、見事に存在感まる出しの腹に、脂ぎった顔。そして違和感満載の頭髪‥‥‥‥。
 あれって‥‥‥‥。あんな違和感だらけの髪型、良くみんな正視できるな~。
 ちょっと自分には、吹き出すのを我慢するのキツイわ。

「ギルト長ともあろう方が、こんな街中で何か御用でしょうか」

「私はここの街のギルド長だからな。街中にいても何ら不思議ではないが?そちらの方が何故ここにいるのです?」

「ははは。私は領主として街を視察しているだけですよ?」

 あらまあ。領主とギルドとは、良好な関係ではないというのは事実みたいだな。
 どちらも笑顔だが、おっさんの目が笑ってなくて怖い。かたや脂ぎった領主とやらは、嫌な笑いを貼り付けてこちらをチラチラ観察する視線がなんとも鬱陶しい。

 ああ、やだやだ。 元の世界でもいたよな~、ああいうの。
 
 嫌なものから視線を外そうと、チロッと岩に刺さった柄を観察すると、見慣れた小さな文字が刻まれているのが目に入った。。

「‥‥‥‥うぇ、マジかよ」

 そこには『俺様作 伝説の武器』と日本語で刻まれ、その文字は何故か上からバツが刻まれている。

『はいはいはい! 勇者が作ったハンマータイプの武器っす! 調子にのって作ったものの大した事なくって!処分に困って、それらしい事言ってここに置いていったっす!』

 久しぶりに出たな『鑑定』─────んで勇者ってあんのロリコン勇者か! 
 調子にのって事は、「俺ってばよ、すっげぇ武器も作れるんだぜっ!」て言い出したものの実力が無かったってヤツでは!?

「いや待て、他にもあるって言ってたな。まさかレベリング?」

『 勇者に「鍛冶・極」のスキルはありませんでした。単なる趣味では』

 今度は『ナビ』ちゃんかよ。そう言えば、あの変態の祖先が所持していたという『魔導士の杖』は勇者が作ったんだよな。
 結構細工が細かく、デザイン的に結構もいけていた感じだったけど‥‥‥‥。

『「杖」の要はあの「宝珠」だけです。他は飾りにすぎません。再現したあの姿に、何か思い当たりません?』

 何か思ったと言えば‥‥‥‥中二病くさいな~、としか。あ、何かじわじわ思い出してきた!
 あの杖のデザイン、見覚えがある─────っ。

『どこからヒントを得たんでしょうね』

 某有名RBGに出てくる杖じゃん─────っ!!ヒントもへったくれもない!パクったな─────勇者─────っ!

 絶対病気発症して、俺すっごいの作れちゃうもんね~とか調子に乗って、某ゲームに出てくるアイテムそっくりな物を作ったとみた!会った事ないけどね!?ほぼ間違いないだろうな!

「まあ、コレに価値がないって事は解った‥‥‥‥ん?なんだコレ」

「どうしました、リオさん」

「この柄と岩の隙間に、何か入れてない?─────これ、取れないように補強してるでしょ」

 よくよく見れば、柄と岩の隙間。一回崩れそうになっただろう境目にもいくつか何かで固めた跡がある。

「岩は多分、鍛冶師が欲しがる鉱物で出来てるみたいですね‥‥‥‥本当ですね、隙間に補強材が入れてありますよコレ」

「やっぱ、ぼったくりやん」

 
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