聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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どうでもいいけど、どうにかして

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 現在進行形で進んでいる破壊現場。
 背後から、お付きの二人からじと~んとした視線を貰っていた。

「「「 ‥‥‥‥ 」」」
 
  やたらキラキラ光る得物は、つい最近見覚えのあるもの。「なにやってんだよ」という無言の圧力を感じます。
  ─────絶対振り向かない!

 でもなぁ?『ナビ』ちゃんのお知らせでは、被害はないって言ってたのに。

『人的被害はありません』

 ああ、そうだね。ケガ人はいなさそうだ。けが人はね‥‥‥‥。
 なんかよく分らないが壊れた屋敷を前に、二つの集団がいがみ合ってるのは何なんだろう。
 ウィル君のお兄さんは集団の事にはガン無視なんだけど、いいんかな。
 あれか?お前が壊したやろ!責任とれや的な?‥‥‥‥だったらマズイ‥‥‥‥証拠はないけど (たぶん) 非常にマズイ‥‥‥‥。
  
「まあ、屋敷が潰れかけているのは問題ないのですが」

「無いの!?」

 皆さま聞いた!? 問題ないんですって!
 嬉々として勢いよく振り向くと、シロ君を含めた従魔共々ジト目で見られた。

「─────いえ正確には、屋敷に穴が開こうが倒壊しようがどうでもいいのですけど‥‥‥‥。ホラあそこに‥‥‥‥見えますか?」

 え、どこどこと指し示す方向を皆で視線を凝らすと、崩れた屋敷の壁から鈍い光を放つ何かが覗いている。

「────何だ?」

「‥‥‥‥扉みたいに見えるけど」

 何かよく分らない、とラングと同じような感想を述べる横で、今は無い眼鏡を直す仕草をしながら、鋭い視線を放つフリート。

「あれ、金庫ですね。それもご丁寧に壁の中‥‥‥‥」

「ご名答。楽しそうでしょ?そんな金庫」

 こちらは何故か嬉しそうだ。

「ワシの屋敷に入らせるか─────っ!」

 集団の中で、一人やけに騒ぐおっさん。
  ─────すごく見覚えがある。

「‥‥‥‥あれは捕まる予定じゃないの?」
「そのはずなんですけどねぇ~」

「第三の奴ら、見えねぇな」
「職務怠慢ですね」

「捕縛は自分達の管轄ではないので。どうでもいいですけど、我々はアレの中身に非常に興味がありましてね」

「私達の管轄ではありませんが、興味はありますね」

「屋敷の壁が崩れて、金庫が露出したんです。手間が省けました」

 ─────全員の視線が自分に集まる。

─────ふむ。小物っぽいおっさんはいつでもどうにか出来るから、あのどデカい猿をどかしてくれと。
 正確にはあれだよな、あの勇者提供の欠陥武器。
 アレのせいでベキベキ沈んでるんだよな~。────結構重いらしいからあれ。
 結構メンドイなぁ─────。 

「リオさん。それ終わったら、屋台覗きに行きましょうね」

「よろこんでぇ~」

 ─────速攻で現場に飛んでいった。

~~ ~~~ ~~~  
 

 ひと手間の「エールボタン」ありがとうございます。
 時間を割いてくださった事に感謝感激で、連続前転ローリングをかまします。
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