聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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あ‥‥‥‥それ

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 真っ当な任務遂行中の姿なのに、悪党集団にしか見えない姿にドン引きしながら、えっちらおっちらどデカいサルを移動させていく。
 
 デカいサルを取り除いてみれば、ザ・隠し金庫の登場だった。
 まあいくら、巧妙に隠された金庫でも、家を半壊されれば「隠し」の意味はなくなるわけで。
 ガラガラ崩れてくるのもちょいちょいっと「結合」させ、これ以上崩れないように固めた。
 その事をすれ違いざまにコソっと囁いたら、任務に真面目(?)なお役人様達は、一切の躊躇も見せず半壊した屋敷に乗り込んでいった。
 いや~お仕事ご苦労様です。

 お~ライお~ライとウィル少年の先導する先には、得物を持ち構えるご婦人方。
 砦のご婦人方と違い、得物片手にびたーんぴたーんはしてないが、それなりに貫禄のある集まりだ。
 その後ろに子供達、その更に後ろが男集団と若年層の集団‥‥‥‥。
 
 どこの世界も子供の好奇心と、ご婦人方は最強なのですわ。─────うん。

「きさまらあぁ─────!!このワシを誰だと─────!」

 イキり領主様とやらは自分の存在をガン無視され、物事が勝手に進んでいる事に大変お怒りのようだ。
 もう周囲の視線で「アイツダメなんじゃね?」の空気満載なのに、なんであんな態度なんだろう?
 あれか?自分はお前らとは違う!特別な存在だ!的な?
 
 挙句の果てに「今部下達が屋敷の状態を確認しているので、しばらくお待ちください」とシレっと宣告されている。

 確認じゃなくて強盗だよな、あれ。

 イキり領主は、そんな物言いにとうとうイキり収まらず、顔色は赤黒くなっていく。

「き、きさまらあぁ!!くそう─────こうなったら」

 諦めの悪いこの御仁は、懐から何やら取り出した。

「 あ 」

 あ、それ見覚えがあります。
 今ここで、ソレ使います?
 いや~~、できればその現場に立ち会いたくはなかったわ。

 ドッスン!と大荷物を下しながら、横目で状況を確認する。

「シロ君、こっちこっち」 

 人間同士の演劇舞台を興味深く見学していたシロ君は、素直に呼びかけに反応し、トコトコと側にやってきた。

「ワフワフ? (問題ないだろ?) 」

「問題ないけど、わざわざ不愉快な思いをする必要はないしね」

「ワウワウ (それもそうか)」

 言いながら、自分とシロ君の周囲を囲うように風の壁を構築する。

「よく分らないですけど、僕もまぜてください~」

 そこへ何か起こりそうな予感を察知したのか、ウィル少年もシロ君の後ろからついてきた。
 
「まあ、怪我とかしないけど、私達の側にいれば安全だよ。モモンガちゃんもいるしね。─────あ、そうだ。君達もこっちおいで」

 フリートとラングの背後に控えていた犬魔獣達は、主の事などマルっと無視してリオの呼びかけに、さっさとこちらに駆け寄ってくる。

 私というより、シロ君の存在感だよねコレ。
  その間にイキり領主は『丸石』を懐から取り出し、なにやら呟きだした。
 『丸石』見覚えのある二人は、剣の柄に手をかける。

「従魔達に影響が出ますか?」

「従魔というより、嗅覚がある生物はもれなく‥‥‥‥」

 ぎょえええぇぇぇぇ──────────

 雲一つない晴天の中、おっさんの汚い悲鳴が響き渡った─────。

~~~  ~~~  ~~~ ~~~ ~~~  
 

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 時間を割いてくださる事に感謝感激で、匍匐前進でにじり寄りします。
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