聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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きたないなぁ

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「うるさ」

 魔獣を無理やり従わせることができる、と言われるすごく胡散臭い『丸石』。
 『ナビ』ちゃんの提案によって魔改造された『丸石』は、いまでは只の?『臭い石』であって。
 まったくもって、迷惑千万な存在である。

 ─────というか、まだあるのかあの石。一体全部でいくつあるのかね。  
 まあ最初に『陣』を仕込んだ『丸石』の存在があれば、近くにある他の『丸石』ももれなく『臭い石』に感染するように仕込んであるし?
 いや~、自分ではそんな事はまったく思いつかないや。『ナビ』ちゃんの嫌がらせは、現在進行形でとてもいい感じに作用しているようです。

 どうでもいいけど、一番近い奴に臭い匂いのダメージが入り、空気を読んでいるのか、他の三人はひるみながらも威厳を保っております。だいぶ眉間に皺が刻まれちゃってますが。
 ─────あ。三人と無言で視線が合いました。
 無言で「なんで平気なんだ!」と視線で訴えてます。
 やっぱり近い方が匂い強烈なんだ。
 こちら一般人側は、何となく「うわっ」ていう感じで、皆距離をとって下がっていった。
 
そりゃまあこっちは風上だし?その上追加で風の障壁張ってます。
 うん、ノーダメノーダメ。だってしょうがないじゃないか、シロ君達従魔に害はないとはいえ、不愉快な思いはさせたくないじゃん。

 あ、三人とも恨めしそうな顔で、私の背後にそそくさと回っていった。
 一番安全帯と読んだシロ君の側で、呼吸を整えている。

「─────そんなに臭い?」

「‥‥‥‥鼻がまがるぞ」
「‥‥‥‥自分達だけズルいですよ。先に教えてほしかったです‥‥‥‥」
「なんか匂いが鼻から取れない‥‥‥‥」  

 従魔付きの二人は、己の犬従魔からスッと距離を取られた。

 ‥‥‥‥なんか可哀想になったので、『クリーニング』をしてあげた。
 後方から子供の声で「くさ~い」の一言が響き、「しぃっ」と母親らしき人が連れていく。
 うん、爆心地よりはマイルドだろうけど、匂うモンは匂うもんな。

「‥‥‥‥何をしたんですか?」

「え?私のせい?心外ですわ~」

 何でもかんでも私のせいとか?ないわ~ 。

「くっくそ!なんだこれは!」

 色んなモノを顔から垂れ流した領主は、下手な投球で『臭い石』放り投げた。
 
─────パンっ!

 ヘロヘロ投球だったが、こちらに飛んできたので破壊しておいた。
 とりあえずこれで、臭い匂いから解放されたはず。

「な、なんだ!?あぁ!?きさまは!」

 人を指さししないでくれます?─────不愉快だわ。

「貴様は、ギルドの連中といた‥‥‥‥平民?」

 なんで疑問符なんだと思っていると、遠くから何かが押し寄せて来るような音が響く。
 
 何だ─────?

 きちゃない領主を無視して、皆そちらの方角に視線をやると、人々ざわめき声がだんだん大きくなってきた。

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 時間を割いてくださる事に感謝感激で、匍匐前進でにじり寄りします。
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