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40.決意!
しおりを挟む「オレが瑛士さんに一目惚れ、ならありえますよね。それは疑われなそうなので、そこからどうにかなりません?」
「うーん……じゃあ、凛太が一目惚れで、オレをナンパしてきて、お茶してからっていうのは?」
そう言われて、ちょっとその感じで想像してみる。けど、すぐ、挫折した。
「う、うーん……瑛士さんって、オレが、ナンパして、なびきますか……?」
「うーん……まあ。可愛いから、ありじゃない?」
「――まあ、冗談はさておいて……」
あ、スルーされた、と瑛士さんは笑ってるけど、それもスルーして、オレは考える。
うーん。出会い、ねぇ……。確かに、オレ達、出会うタイミングすら、無さそう……。
「あ! そうだ、おじいさんにだけ、ほんとのこと言うっていうのはどうですか?」
「あーそれね……考えてはいるんだけど、ほぼ絶対無理だな」
「そうなんですか? でも、瑛士さんが、やりたいことをやるためにって、説明すれば……」
何とかなるんじゃないのかな、と聞いてると。
瑛士さんは、たぶん無理、と首を振った。
「うちのじいちゃんさ。死んだΩのばあちゃんを、一途に大好きだった人なの。亡くなった時なんて、しばらく外にも出なくてさ。ばあちゃんのご飯が好きすぎたから、食事もなかなか取らなくなっちゃうし、そのまま後を追うつもりなのかと思ったけど――なんかばあちゃんが、夢に出てきて、ちゃんと生きてから、こっちにきてくださいって言ったんだって」
「わー……すごいですね」
「すごいでしょ。絶対夢なのに、でも、じいちゃんは、それを信じてさ。ほんと、よくそれで復活したなーって思うんだけど。すごいよね」
「あ、すごいって言ったのは……一途に想ってそんな風になって、夢だとしても、そんな風に頑張れるくらい、一途なαさんがいるんだ、と思って……うちの父とえらい違いですね」
ぶー、と顔が勝手に膨らんでしまう。
「ていうか、凛太」
「はい?」
「αだからって、絶対愛人が居る訳じゃないよ。一途な人も居るから」
まっすぐにオレを見て、瑛士さんは苦笑してる。
「瑛士さん、遊んでたっていってたような……」
「いや、それは、結婚してないし。付き合って、フリーの時にまた新しい人と付き合って、だからね? 別になんまたもかけたりしてないし」
なんか焦ってるのが、ちょっとまた少し、可愛い。
「そういうことにしときますね――ていうか、瑛士さんのおじいさん。会って、話してみたいですね。いいなあ。おばあさんに、一途なおじいさん……」
瑛士さんは、苦笑しながらオレを見つめて。
「あのさ、凛太。なんかオレ、一番に、可愛いっぽい話をしてしまったけどね」
「はい?」
「うちのじーちゃん、怖いから。契約結婚なんてバレたら、殺されるかも」
「え、まさか」
「マジで。あ、オレがね?」
「え、オレじゃなくて? 瑛士さんですか?」
「だって、どう考えたって、持ちかけたのオレでしょ。んで、じいちゃんだまそうとして、Ωの凛太のこと利用して、なんてなったら」
「別に利用されてるだけじゃないので。オレも、瑛士さんに、たくさん助けてもらってしまうし」
「――じいちゃんね。Ωのばあちゃんが大好きだったから。Ωから搾取するような奴らが大嫌いな訳」
「……あ、だから、オレ搾取なんてされてないので」
「通じないかもしれない……」
「――」
「正直に、お互いの利益のために、て言ったら、駄目なんですか?」
「――分かんないな。でも、駄目な可能性も、高い。一応、京也さんと拓真とも相談してて、じーちゃんどうするかって、話してんだけど。まだ結論が出てない。会うまでには決めるけど」
「大変そうですね……とりあえず、オレは、瑛士さんが決めたことに、ついていきます!」
「――ふ」
クスクス笑う瑛士さん。
「何、その、超やる気モードな顔は」
「え。あぁ。とりあえず、オレは、瑛士さんが頑張れる環境を提供したいって思ってますし。オレは、父に頼らず勉強できる環境は、すごくありがたいので。どっちにしても、バレないように頑張るっていう決意、です」
「――ふふ。よろしく」
オレを見つめて、おかしそうにクスクス笑ってる瑛士さんに、はい、と頷いていると、そこに和智さんがやってきた。ワゴンで運んできた食事を、テーブルに並べていってくれる。
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