143 / 328
らぶこめ
第百四十二話 答え
しおりを挟む
人は幸せになるために生きている。
幸せとは己が思うがままに生きること。
自らに由って生きる。
幸せに成るため。
俺は差し出された菩薩の手、くせるの手を握った。
ドクンッ鼓動が跳ね上がった。
「うごおおおおおおへぶへぶへぶ」
俺に蓄積された毒素。
妬み失意恨み辛み憎悪後悔。
血液がいつもより強く体中を駆け巡り体中に沈殿する毒を掻き集めていく。
デトックス効果。
体中から汗を流して体から悪い毒素を流し出し、体を蘇らせる。
それと同じだ。
心の膿を全て吐き出し天に昇るのに相応しい穏やかな心に蘇らせる。
心と体、肉体と精神は別では無い。
肉体は精神に影響を与え、精神は肉体に影響を与える。
肉体を象徴し精神の象徴ともされる生命の水であり貴き水、血。
それが体中を高圧洗浄を行うように体中を駆け巡り、四苦八苦の生き地獄を廻り浮き出た心にこびり付いた毒を洗い流していく。
心が生まれて感じたことが無いほどに浄化されていくのを感じる。
子供じゃこの気持ち味わえない。
平穏無事に生きてきた奴じゃこの気落ちは味わえない。
落ちて汚れきった奴だからこそ味わえるこの浄化感。
いってしまい、そのまま天にいってしまいそう。
だが巡るだけじゃ何にもならない。
後はあれと同じで吐き出したとき最高のエクスタシーを味わえる。
体中の毒素が集まっていき、一点に溜まって昂ぶっていく吐き出すだけ。
俺の場合は額の中央、そこからまるで若葉が芽吹くように盛り上がっていく。
血に由って集められた心の澱が濃縮され膨れ上がっていく。
「うごご」
破裂するまでもう少し。
達するまでもう少し。
「へびゅぶん」
浄改感。
体中に澱った毒が吐き出される快感は精子を吐き出す何かとは比較にならない。
処女膜をぶち破るかの如く血管を皮膚をぶち破って血が噴き出した。
天に昇るため体の毒を全て吐き出し心清らかに、噴水のように吹き上がった血が開いて蓮華の華となる。
「それが貴方の華なのね。
誰よりも黒く染まり、誰よりも赤が際立つ綺麗な華」
くせるはこの時だけは菩薩で無く芸術を愛する者の顔でうっとりとする。
なあ、知ってるか?
握られた手。
掬い上げることも出来るなら。
地に引き摺り込むことも出来るんだぜ。
澱った全てを吐き出したかに思えて僅か極点の毒がくせるの顔を見て細く笑む。
「えっ!?」
握りあった手と手。
くせるが俺を天に救い上がるより早く、俺はくせるを地に引き墜とした。
天におわす菩薩の如く全く隙のなかったくせるが見せた一瞬の隙を付いて俺が手を引き。
くせるは俺に引き寄せられる。
右手でくせるを引いて、左手で額に咲いた蓮華を引き抜き。
くせるの柔らかそうな首筋に突き立てた。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ」
今まで菩薩のような穏やかだったくせるの顔が醜く歪む。
「どうだ? 俺の人生を凝縮した毒の味は?」
僅か十かそこらの人生では味わえない人生の苦さ。子供にゃ早い。
「どうしてなんで?
私は助けようとしただけ。
救おうとしただけなのに」
くせるの顔が菩薩から年相応の少女の顔に戻って泣きじゃくる。
その涙に濡れた顔で俺に問い掛ける。
確かにくせるは紛う事なき俺を救世しようとしていた。
この生き地獄から救い出そうとした。
まさに菩薩の心。
だが、
「鬼だからさ」
「鬼?」
「我執の鬼。
世界中の誰もが俺を憎もうとも。
俺だけは俺を見捨てない。
天に還るより地獄で我に猛執する。
この我、神だろうが悪魔だろうが奪わせない」
虐められ世界中が敵になったと思い込み孤独に追い込まれた。
みんなとは違う、俺は仲間外れなんだ。
部屋に引き込まれ自問自答を深め自殺を決意したその瞬間。
俺の中に超新星の如き爆発が広がった。
死なないで。
俺に呼び掛ける声が心の内から響いた。
それは俺自身、我からの呼び掛け。
世界の誰が敵に回ろうとも、我だけは見守っていてくれる。
我だけは絶対に裏切らない味方。
絶対に裏切らない味方を得て俺は強くなった。
虐める連中全てに思い知らせ、俺は勝ちとった。
この絶対の味方、なんで俺が裏切れよう。
弾は残しておいた。
俺はコンバットマグナムを引き抜くと。
どこか超越していたくせるじゃない、年相応の泣き顔になったくせるに標準を合わせた。
此奴は危険だ。交渉も取引も無い、倒せるときに倒す。
それにこんな貧乏籤俺しか引けまい。
「地に落ちた菩薩、俺が天に送ってやろう」
俺は引き金を引く。
幸せとは己が思うがままに生きること。
自らに由って生きる。
幸せに成るため。
俺は差し出された菩薩の手、くせるの手を握った。
ドクンッ鼓動が跳ね上がった。
「うごおおおおおおへぶへぶへぶ」
俺に蓄積された毒素。
妬み失意恨み辛み憎悪後悔。
血液がいつもより強く体中を駆け巡り体中に沈殿する毒を掻き集めていく。
デトックス効果。
体中から汗を流して体から悪い毒素を流し出し、体を蘇らせる。
それと同じだ。
心の膿を全て吐き出し天に昇るのに相応しい穏やかな心に蘇らせる。
心と体、肉体と精神は別では無い。
肉体は精神に影響を与え、精神は肉体に影響を与える。
肉体を象徴し精神の象徴ともされる生命の水であり貴き水、血。
それが体中を高圧洗浄を行うように体中を駆け巡り、四苦八苦の生き地獄を廻り浮き出た心にこびり付いた毒を洗い流していく。
心が生まれて感じたことが無いほどに浄化されていくのを感じる。
子供じゃこの気持ち味わえない。
平穏無事に生きてきた奴じゃこの気落ちは味わえない。
落ちて汚れきった奴だからこそ味わえるこの浄化感。
いってしまい、そのまま天にいってしまいそう。
だが巡るだけじゃ何にもならない。
後はあれと同じで吐き出したとき最高のエクスタシーを味わえる。
体中の毒素が集まっていき、一点に溜まって昂ぶっていく吐き出すだけ。
俺の場合は額の中央、そこからまるで若葉が芽吹くように盛り上がっていく。
血に由って集められた心の澱が濃縮され膨れ上がっていく。
「うごご」
破裂するまでもう少し。
達するまでもう少し。
「へびゅぶん」
浄改感。
体中に澱った毒が吐き出される快感は精子を吐き出す何かとは比較にならない。
処女膜をぶち破るかの如く血管を皮膚をぶち破って血が噴き出した。
天に昇るため体の毒を全て吐き出し心清らかに、噴水のように吹き上がった血が開いて蓮華の華となる。
「それが貴方の華なのね。
誰よりも黒く染まり、誰よりも赤が際立つ綺麗な華」
くせるはこの時だけは菩薩で無く芸術を愛する者の顔でうっとりとする。
なあ、知ってるか?
握られた手。
掬い上げることも出来るなら。
地に引き摺り込むことも出来るんだぜ。
澱った全てを吐き出したかに思えて僅か極点の毒がくせるの顔を見て細く笑む。
「えっ!?」
握りあった手と手。
くせるが俺を天に救い上がるより早く、俺はくせるを地に引き墜とした。
天におわす菩薩の如く全く隙のなかったくせるが見せた一瞬の隙を付いて俺が手を引き。
くせるは俺に引き寄せられる。
右手でくせるを引いて、左手で額に咲いた蓮華を引き抜き。
くせるの柔らかそうな首筋に突き立てた。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああ」
今まで菩薩のような穏やかだったくせるの顔が醜く歪む。
「どうだ? 俺の人生を凝縮した毒の味は?」
僅か十かそこらの人生では味わえない人生の苦さ。子供にゃ早い。
「どうしてなんで?
私は助けようとしただけ。
救おうとしただけなのに」
くせるの顔が菩薩から年相応の少女の顔に戻って泣きじゃくる。
その涙に濡れた顔で俺に問い掛ける。
確かにくせるは紛う事なき俺を救世しようとしていた。
この生き地獄から救い出そうとした。
まさに菩薩の心。
だが、
「鬼だからさ」
「鬼?」
「我執の鬼。
世界中の誰もが俺を憎もうとも。
俺だけは俺を見捨てない。
天に還るより地獄で我に猛執する。
この我、神だろうが悪魔だろうが奪わせない」
虐められ世界中が敵になったと思い込み孤独に追い込まれた。
みんなとは違う、俺は仲間外れなんだ。
部屋に引き込まれ自問自答を深め自殺を決意したその瞬間。
俺の中に超新星の如き爆発が広がった。
死なないで。
俺に呼び掛ける声が心の内から響いた。
それは俺自身、我からの呼び掛け。
世界の誰が敵に回ろうとも、我だけは見守っていてくれる。
我だけは絶対に裏切らない味方。
絶対に裏切らない味方を得て俺は強くなった。
虐める連中全てに思い知らせ、俺は勝ちとった。
この絶対の味方、なんで俺が裏切れよう。
弾は残しておいた。
俺はコンバットマグナムを引き抜くと。
どこか超越していたくせるじゃない、年相応の泣き顔になったくせるに標準を合わせた。
此奴は危険だ。交渉も取引も無い、倒せるときに倒す。
それにこんな貧乏籤俺しか引けまい。
「地に落ちた菩薩、俺が天に送ってやろう」
俺は引き金を引く。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【電子書籍化】ホラー短編集・ある怖い話の記録~旧 2ch 洒落にならない怖い話風 現代ホラー~
榊シロ
ホラー
【1~4話で完結する、語り口調の短編ホラー集】
ジャパニーズホラー、じわ怖、身近にありそうな怖い話など。
八尺様 や リアルなど、2chの 傑作ホラー の雰囲気を目指しています。現在 150話 越え。
===
エブリスタ・小説家になろう・カクヨムに同時掲載中
【総文字数 800,000字 超え 文庫本 約8冊分 のボリュームです】
【怖さレベル】
★☆☆ 微ホラー・ほんのり程度
★★☆ ふつうに怖い話
★★★ 旧2ch 洒落怖くらいの話
※8/2 Kindleにて電子書籍化しました
『9/27 名称変更→旧:ある雑誌記者の記録』
GATEKEEPERS 四神奇譚
碧
ホラー
時に牙を向く天災の存在でもあり、時には生物を助け生かし守る恵みの天候のような、そんな理を超えたモノが世界の中に、直ぐ触れられる程近くに確かに存在している。もしも、天候に意志があるとしたら、天災も恵みも意思の元に与えられるのだとしたら、この世界はどうなるのだろう。ある限られた人にはそれは運命として与えられ、時に残酷なまでに冷淡な仕打ちであり時に恩恵となり語り継がれる事となる。
ゲートキーパーって知ってる?
少女が問いかける言葉に耳を傾けると、その先には非日常への扉が音もなく口を開けて待っている。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
都市街下奇譚
碧
ホラー
とある都市。
人の溢れる街の下で起こる不可思議で、時に忌まわしい時に幸いな出来事の数々。
多くの人間が無意識に避けて通る筈の出来事に、間違って足を踏み入れてしまった時、その人間はどうするのだろうか?
多くの人間が気がつかずに過ぎる出来事に、気がついた時人間はどうするのだろうか?それが、どうしても避けられない時何が起こったのか。
忌憚は忌み嫌い避けて通る事。
奇譚は奇妙な出来事を綴ると言う事。
そんな話がとある喫茶店のマスターの元に集まるという。客足がフッと途絶えた時に居合わせると、彼は思い出したように口を開く。それは忌憚を語る奇譚の始まりだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
感染
宇宙人
ホラー
福岡県北九州市の観光スポットである皿倉山に航空機が墜落した事件から全てが始まった。
生者を狙い動き回る死者、隔離され狭まった脱出ルート、絡みあう人間関係
そして、事件の裏にある悲しき真実とは……
ゾンビものです。
かなざくらの古屋敷
中岡いち
ホラー
『 99.9%幽霊なんか信じていない。だからこそ見える真実がある。 』
幼い頃から霊感体質だった萌江は、その力に人生を翻弄されて生きてきた。その結果として辿り着いた考えは、同じ霊感体質でパートナーの咲恵を驚かせる。
総てを心霊現象で片付けるのを嫌う萌江は、山の中の古い家に一人で暮らしながら、咲恵と共に裏の仕事として「心霊相談」を解決していく。
やがて心霊現象や呪いと思われていた現象の裏に潜む歴史の流れが、萌江の持つ水晶〝火の玉〟に導かれるように二人の過去に絡みつき、真実を紐解いていく。それは二人にしか出来ない解決の仕方だった。
しかしその歴史に触れることが正しい事なのか間違っている事なのかも分からないまま、しだいに二人も苦しんでいく。
やがて辿り着くのは、萌江の血筋に関係する歴史だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる