325 / 328
傘
第323話 狂った少女と詐欺師
しおりを挟む
「お前のやり方じゃ何にもならない」
覚悟を決め俺は鎖府の目を見据えながら言い切った。
これでもう日和れ無い、説得できるか殺し合いが始まるかのどっちかだ。
相手は旋律士、人間だ。鉛玉を脳天に喰らわせられれば殺せる分、ユガミより勝ち目はある。
「あっそっ、あなたも法とか小賢しい事言うのね」
鎖府の殺気が膨れ上がりさり気なく鎖府の体に飾りのようにぶら下がっていた鎖が解かれ下に垂れ下がっていく。
この女も殺意満々だな。
「最後には社会的影響を鑑みてとか言って煙に巻こうとする。
あなたは違うかもって思っていたのに、残念ね」
鎖府の赤い瞳孔が肉食獣の目のように開かれる。
まあ、鎖府の言うこともあながち的外れじゃ無い。会員名簿を手に入れた後、五津府に相談すると日和った考えも無いことは無かった。
正直チラッと覗き見ただけで出てくる豪華メンバー、これだけの上級国民を敵に回して生き残るには最適に立ち回ってなお運と実力がいる。一歩ステップを間違えれば、あっさりと上級国民に雇われたA級スナイパーに脳天を撃ち抜かれてしまう。
「俺の方こそ期待外れだ」
「そう残念ね。私があなたの立場なんか考慮すると思ってた~」
鎖府の顔は完全に俺を嘲っている。
「とことん頭の悪い女だ」
「はい、死んだ」
「自分さえ救えればいいのかっ」
気付いたら俺の目前で鎖が停止していた。
はっ正直何時手元の鎖を俺には成ったのかモーションすら見えなかった。勝負になるなんて思い上がりだったようだ。
まあ、それでも負けないけどな。
「どういう意味かしら?」
鎖府は俺の言葉に興味を持ってくれたようだが殺気は少しも薄まっていない。ここで言葉を間違えれば今度こそ脳天を鎖で砕かれる。
「仮にここの建物を潰して何になる?
また建てればいいだけだ。
仮にここに捕まっている人達を助けて何になる?
また集められてくるだけだ」
まあ多少の時間は稼げるだろうが、雑草と同じで根を抜かない限りまた生えてくるだけのこと、その程度の理屈この女にだって分からないわけが無い。正義の怒りに取り憑かれて思考が狂っているだけ。
説得は不可能だ、勝負の分かれ目はどれだけ俺がこの女の思考を誘導出来るかに掛かっている。
「それが今ここで少女達を見捨てる理由?」
「ならお前が未来に苦しむ人を見捨てる理由は何だ?
今この場で正義の怒りを爆発させれば、さぞ気持ちいいだろうなお前は。
だが未来で苦しめられる少女達を見捨てるのかっ」
俺は鎖府を断罪する。
「私を侮辱する気?
私がここで一人として逃さない、皆殺しにすれば一日市ホテルは終わりでしょ」
多少を理性を戻したか、俺の断罪に武力で無く言葉で返してきた。
「無理だな。お前がどれだけ強いか知らないが、一人では不可能だ。
逃げおおせた者がどこかで一日市ホテルを再建する」
「これだけの組織がそんなかん・・・」
「無理だと思うか、可能だ。
会員名簿、あれさえあれば再建する為の資金も人員も簡単に集まる」
「一度失敗した残党に誰が金を出すのよ」
「会員だよ。
彼等はこのホテルを必要としている、喜んで金を出すさ。その際には報復としてお前には刺客が差し向けられだろうな」
「返り討ちにしてやるだけよ」
「どんなに強くても人間である以上一人じゃ無理だな」
一回二回なら俺のように凌げるだろうが、食べない寝ない排泄をしない人間はいない。四六時中一人でカバーすることは不可能。
「ならどうしろっていうのよ。小難しいことを言って私を言いくるめよう何て考えても無駄よ」
まずい逆ギレ間近、理屈で押すのもここまで一気に核心に行く。
「だから最初から言っている。
会員名簿を手に入れるんだよ。それこそが一日市ホテルといってもいい」
「どうやって?
まだ時間を掛けて調査なんかしていたら私頭が可笑しくなりそうよ。
そうなったらもう何するか分からないわよ」
鎖府の顔は先程まで殺意は消えて泣きそうな顔に変わっている。
もう少し凝縮してやれば、暴発するな。
仕方が無いか。万全で挑むのが上策だが、それに拘って機を逃すのは下策。
「今苦しむ少女を助け、未来に苦しみ少女も助ける」
「何を言っているの?」
「今日でケリを付ける」
吐いた言葉は戻せない。
柄じゃ無いが、博打に出る。
覚悟を決め俺は鎖府の目を見据えながら言い切った。
これでもう日和れ無い、説得できるか殺し合いが始まるかのどっちかだ。
相手は旋律士、人間だ。鉛玉を脳天に喰らわせられれば殺せる分、ユガミより勝ち目はある。
「あっそっ、あなたも法とか小賢しい事言うのね」
鎖府の殺気が膨れ上がりさり気なく鎖府の体に飾りのようにぶら下がっていた鎖が解かれ下に垂れ下がっていく。
この女も殺意満々だな。
「最後には社会的影響を鑑みてとか言って煙に巻こうとする。
あなたは違うかもって思っていたのに、残念ね」
鎖府の赤い瞳孔が肉食獣の目のように開かれる。
まあ、鎖府の言うこともあながち的外れじゃ無い。会員名簿を手に入れた後、五津府に相談すると日和った考えも無いことは無かった。
正直チラッと覗き見ただけで出てくる豪華メンバー、これだけの上級国民を敵に回して生き残るには最適に立ち回ってなお運と実力がいる。一歩ステップを間違えれば、あっさりと上級国民に雇われたA級スナイパーに脳天を撃ち抜かれてしまう。
「俺の方こそ期待外れだ」
「そう残念ね。私があなたの立場なんか考慮すると思ってた~」
鎖府の顔は完全に俺を嘲っている。
「とことん頭の悪い女だ」
「はい、死んだ」
「自分さえ救えればいいのかっ」
気付いたら俺の目前で鎖が停止していた。
はっ正直何時手元の鎖を俺には成ったのかモーションすら見えなかった。勝負になるなんて思い上がりだったようだ。
まあ、それでも負けないけどな。
「どういう意味かしら?」
鎖府は俺の言葉に興味を持ってくれたようだが殺気は少しも薄まっていない。ここで言葉を間違えれば今度こそ脳天を鎖で砕かれる。
「仮にここの建物を潰して何になる?
また建てればいいだけだ。
仮にここに捕まっている人達を助けて何になる?
また集められてくるだけだ」
まあ多少の時間は稼げるだろうが、雑草と同じで根を抜かない限りまた生えてくるだけのこと、その程度の理屈この女にだって分からないわけが無い。正義の怒りに取り憑かれて思考が狂っているだけ。
説得は不可能だ、勝負の分かれ目はどれだけ俺がこの女の思考を誘導出来るかに掛かっている。
「それが今ここで少女達を見捨てる理由?」
「ならお前が未来に苦しむ人を見捨てる理由は何だ?
今この場で正義の怒りを爆発させれば、さぞ気持ちいいだろうなお前は。
だが未来で苦しめられる少女達を見捨てるのかっ」
俺は鎖府を断罪する。
「私を侮辱する気?
私がここで一人として逃さない、皆殺しにすれば一日市ホテルは終わりでしょ」
多少を理性を戻したか、俺の断罪に武力で無く言葉で返してきた。
「無理だな。お前がどれだけ強いか知らないが、一人では不可能だ。
逃げおおせた者がどこかで一日市ホテルを再建する」
「これだけの組織がそんなかん・・・」
「無理だと思うか、可能だ。
会員名簿、あれさえあれば再建する為の資金も人員も簡単に集まる」
「一度失敗した残党に誰が金を出すのよ」
「会員だよ。
彼等はこのホテルを必要としている、喜んで金を出すさ。その際には報復としてお前には刺客が差し向けられだろうな」
「返り討ちにしてやるだけよ」
「どんなに強くても人間である以上一人じゃ無理だな」
一回二回なら俺のように凌げるだろうが、食べない寝ない排泄をしない人間はいない。四六時中一人でカバーすることは不可能。
「ならどうしろっていうのよ。小難しいことを言って私を言いくるめよう何て考えても無駄よ」
まずい逆ギレ間近、理屈で押すのもここまで一気に核心に行く。
「だから最初から言っている。
会員名簿を手に入れるんだよ。それこそが一日市ホテルといってもいい」
「どうやって?
まだ時間を掛けて調査なんかしていたら私頭が可笑しくなりそうよ。
そうなったらもう何するか分からないわよ」
鎖府の顔は先程まで殺意は消えて泣きそうな顔に変わっている。
もう少し凝縮してやれば、暴発するな。
仕方が無いか。万全で挑むのが上策だが、それに拘って機を逃すのは下策。
「今苦しむ少女を助け、未来に苦しみ少女も助ける」
「何を言っているの?」
「今日でケリを付ける」
吐いた言葉は戻せない。
柄じゃ無いが、博打に出る。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【電子書籍化】ホラー短編集・ある怖い話の記録~旧 2ch 洒落にならない怖い話風 現代ホラー~
榊シロ
ホラー
【1~4話で完結する、語り口調の短編ホラー集】
ジャパニーズホラー、じわ怖、身近にありそうな怖い話など。
八尺様 や リアルなど、2chの 傑作ホラー の雰囲気を目指しています。現在 150話 越え。
===
エブリスタ・小説家になろう・カクヨムに同時掲載中
【総文字数 800,000字 超え 文庫本 約8冊分 のボリュームです】
【怖さレベル】
★☆☆ 微ホラー・ほんのり程度
★★☆ ふつうに怖い話
★★★ 旧2ch 洒落怖くらいの話
※8/2 Kindleにて電子書籍化しました
『9/27 名称変更→旧:ある雑誌記者の記録』
GATEKEEPERS 四神奇譚
碧
ホラー
時に牙を向く天災の存在でもあり、時には生物を助け生かし守る恵みの天候のような、そんな理を超えたモノが世界の中に、直ぐ触れられる程近くに確かに存在している。もしも、天候に意志があるとしたら、天災も恵みも意思の元に与えられるのだとしたら、この世界はどうなるのだろう。ある限られた人にはそれは運命として与えられ、時に残酷なまでに冷淡な仕打ちであり時に恩恵となり語り継がれる事となる。
ゲートキーパーって知ってる?
少女が問いかける言葉に耳を傾けると、その先には非日常への扉が音もなく口を開けて待っている。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
都市街下奇譚
碧
ホラー
とある都市。
人の溢れる街の下で起こる不可思議で、時に忌まわしい時に幸いな出来事の数々。
多くの人間が無意識に避けて通る筈の出来事に、間違って足を踏み入れてしまった時、その人間はどうするのだろうか?
多くの人間が気がつかずに過ぎる出来事に、気がついた時人間はどうするのだろうか?それが、どうしても避けられない時何が起こったのか。
忌憚は忌み嫌い避けて通る事。
奇譚は奇妙な出来事を綴ると言う事。
そんな話がとある喫茶店のマスターの元に集まるという。客足がフッと途絶えた時に居合わせると、彼は思い出したように口を開く。それは忌憚を語る奇譚の始まりだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
感染
宇宙人
ホラー
福岡県北九州市の観光スポットである皿倉山に航空機が墜落した事件から全てが始まった。
生者を狙い動き回る死者、隔離され狭まった脱出ルート、絡みあう人間関係
そして、事件の裏にある悲しき真実とは……
ゾンビものです。
かなざくらの古屋敷
中岡いち
ホラー
『 99.9%幽霊なんか信じていない。だからこそ見える真実がある。 』
幼い頃から霊感体質だった萌江は、その力に人生を翻弄されて生きてきた。その結果として辿り着いた考えは、同じ霊感体質でパートナーの咲恵を驚かせる。
総てを心霊現象で片付けるのを嫌う萌江は、山の中の古い家に一人で暮らしながら、咲恵と共に裏の仕事として「心霊相談」を解決していく。
やがて心霊現象や呪いと思われていた現象の裏に潜む歴史の流れが、萌江の持つ水晶〝火の玉〟に導かれるように二人の過去に絡みつき、真実を紐解いていく。それは二人にしか出来ない解決の仕方だった。
しかしその歴史に触れることが正しい事なのか間違っている事なのかも分からないまま、しだいに二人も苦しんでいく。
やがて辿り着くのは、萌江の血筋に関係する歴史だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる