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男三人ぶらり飲み
第百八話 その時あの人は?
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果無と卯場が意味の無い会談をしている頃、ビルとビルに挟まれた狭い路地裏で髪を掻き揚げ一人の女が卯場のビルを見上げていた。ドレスから青いライダースーツに着替えその体のラインがより月影に浮かびあがる弓流だった。こんな路地裏で晒すにはもったいない芸術的ラインだが、男がいれば卑猥な視線が穢す。孤高にて芸術は輝くということだろうか。
ビルの裏手とはいえその筋のビル、普通なら裏手に女一人佇んでいれば見張りが直ぐさま飛んで来て、追い払われるどころかそのままビルの中に連れ込まれてしまう。だが今は弓流の捜索に大勢の者が街に出払い、残った少ない人員も果無が釘付けにしている。おかげでビルの裏にまで回せる人員が残っておらず、弓流は安心安全優雅に立っている。
「坊や達が頑張っている間に、私もお仕事果たさないとね」
弓流は雌豹の如く舌舐めずりすると、ビルの裏手にある非常口、雨樋、配管、庇、窓のサッシなどありとあらゆる凹凸を見極め頭にルートを描いていく。
「それじゃ、お仕事お仕事」
弓流が壁に手を突いたと思えば猫のように壁をするすると昇り始めた。ロッククライミング、それも一流と呼ばれる技術を身に付けている。
僅かな窪み体重を預けられる強度があれば十分、彼女にしてみればごちゃごちゃしたビルの裏側など梯子を登っているようなもの。もしこの姿を動画にとって投稿サイトに投稿すればたちまちの内にPVが万は超えそうなほど、海外ならパルクールの一流チームがスカウトに来るだろう。
それほどに滑らかで躍動感有る動きは美しく、なにより人の目を釘付けにする魅了がある。
一度として流れが澱むこと無く僅か数分でビルの4階を越え、五階に設けられた空中庭園の柵まで辿り着いた。
「油断大敵と」
鳥の如く柵の上に止まると懐から出したグラスを掛ける。すると弓流の目に庭園に張り巡らされた赤外線が映る。
「設置が甘いわね。この程度なら余裕ね」
弓流はとんと空中庭園に降り立つと、助走で勢いを付けると一気に体操選手の如き動きで赤外線を躱してガラス戸の前まで辿り着く。
「ここで迂闊に開けるとアナクロな機械式開閉センサーに引っ掛かる。中年らしいねちっこさといやらしさね」
今やセンサーが主流だが、これはガラス戸が開けられると共に押されていたピンがバネにより飛び出し、このピンが伸び切ることでアラームが鳴る仕組みになっている。何でこんな事を弓流が知っているかといえば、二人で楽しんだ一夜の情事の隙に調べておいたから。それも後でこういう事態になることを想定していたわけで無く、隙があれば自然と体が動くのが弓流という女なのである。
弓流はガラス戸を少しづつあけ開けていき、ピンが伸びきるギリギリまで開けるとその隙間から接着剤を流し込む。
「わん、つう~、すり~、瞬間接着剤って便利ね」
ピンは固まり何の気兼ねなく弓流はガラス戸を開ける。
「おじゃましま~す」
弓流は一歩入った部屋の中央にはキングサイズのベットが置かれる卯場の寝室のようである。
「感じる。確かにここに流れを止める何かを感じるわ。
それさえ手に入れれば私に流れを止める手立ては無い、終わりよ卯場。だから、もう少し頑張って寝坊や」
弓流は部屋の中央まで来ると目を瞑り流れを感じるべく神経を研ぎ澄まし出した。
ビルの裏手とはいえその筋のビル、普通なら裏手に女一人佇んでいれば見張りが直ぐさま飛んで来て、追い払われるどころかそのままビルの中に連れ込まれてしまう。だが今は弓流の捜索に大勢の者が街に出払い、残った少ない人員も果無が釘付けにしている。おかげでビルの裏にまで回せる人員が残っておらず、弓流は安心安全優雅に立っている。
「坊や達が頑張っている間に、私もお仕事果たさないとね」
弓流は雌豹の如く舌舐めずりすると、ビルの裏手にある非常口、雨樋、配管、庇、窓のサッシなどありとあらゆる凹凸を見極め頭にルートを描いていく。
「それじゃ、お仕事お仕事」
弓流が壁に手を突いたと思えば猫のように壁をするすると昇り始めた。ロッククライミング、それも一流と呼ばれる技術を身に付けている。
僅かな窪み体重を預けられる強度があれば十分、彼女にしてみればごちゃごちゃしたビルの裏側など梯子を登っているようなもの。もしこの姿を動画にとって投稿サイトに投稿すればたちまちの内にPVが万は超えそうなほど、海外ならパルクールの一流チームがスカウトに来るだろう。
それほどに滑らかで躍動感有る動きは美しく、なにより人の目を釘付けにする魅了がある。
一度として流れが澱むこと無く僅か数分でビルの4階を越え、五階に設けられた空中庭園の柵まで辿り着いた。
「油断大敵と」
鳥の如く柵の上に止まると懐から出したグラスを掛ける。すると弓流の目に庭園に張り巡らされた赤外線が映る。
「設置が甘いわね。この程度なら余裕ね」
弓流はとんと空中庭園に降り立つと、助走で勢いを付けると一気に体操選手の如き動きで赤外線を躱してガラス戸の前まで辿り着く。
「ここで迂闊に開けるとアナクロな機械式開閉センサーに引っ掛かる。中年らしいねちっこさといやらしさね」
今やセンサーが主流だが、これはガラス戸が開けられると共に押されていたピンがバネにより飛び出し、このピンが伸び切ることでアラームが鳴る仕組みになっている。何でこんな事を弓流が知っているかといえば、二人で楽しんだ一夜の情事の隙に調べておいたから。それも後でこういう事態になることを想定していたわけで無く、隙があれば自然と体が動くのが弓流という女なのである。
弓流はガラス戸を少しづつあけ開けていき、ピンが伸びきるギリギリまで開けるとその隙間から接着剤を流し込む。
「わん、つう~、すり~、瞬間接着剤って便利ね」
ピンは固まり何の気兼ねなく弓流はガラス戸を開ける。
「おじゃましま~す」
弓流は一歩入った部屋の中央にはキングサイズのベットが置かれる卯場の寝室のようである。
「感じる。確かにここに流れを止める何かを感じるわ。
それさえ手に入れれば私に流れを止める手立ては無い、終わりよ卯場。だから、もう少し頑張って寝坊や」
弓流は部屋の中央まで来ると目を瞑り流れを感じるべく神経を研ぎ澄まし出した。
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