3,078 / 3,140
DIY、天を仰ぎ試練へと挑む
魔封獣晶 前篇
しおりを挟むアイスプル 偽装都市
術式の組み込みは順調。
ただ、元を辿ればINT値が低過ぎる俺のせいでこうなっていることに申し訳なく思った……仮想脳みそだもんな、INTって。
なお、INT値が低くともスキルの行使や強大な魔法の展開はできなくもない。
ただしその場合、自身の脳みそを用いた処理が求められる。
優秀な才覚持ちならば、問題無いだろう。
だがそうではない者、あるいはそうであってもその才覚以上のことをやろうとすれば、相応の負荷が襲うことになるはずだ。
「──ふむ、物足りませんか」
「闘技場でのメンバー同士の模擬戦、休人のみをターゲットとしたPKである程度欲求は満たしているのですが……大型レイドがしたいという意見が殺到していまして」
「まあ、少し前にムー世界でのレイドがありましたからね。闘技大会で行われた特殊サバイバルのように、悪役が楽しめるものを見つけるのは難しいでしょう」
非合法クラン『AAA』、休人たちによる犯罪クランを統べる大犯罪組織。
そんなクランを管理する、サブオーナーである女性──マリィネとの会話。
なお、お飾りのオーナーにして悪魔との契約者であるカルマ(仮)はここには居ない。
クランの方針については彼女に一任されているので、居なくても構わないのだろう。
そんな彼女が語るのは、主に『DDD』や一部の『AAA』メンバーの不平不満。
PKを含む対人戦闘だけでは、彼らを満たすことはできないらしい。
「……そうですね、策は二つです」
「聞かせていただいても?」
「一つはクローン魔獣、これを闘技場に解き放って蹂躙します」
「…………えっと、本気ですか?」
「まあ、半分くらいは冗談ですよ。イベント時よりも改良を重ね、狂化……じゃない、強化に成功しているんですけどね」
イベントを経て得た職業や称号の効果があるので、自然と質を高められるんだよな。
培養液の質やクローン技術を高め、個体の限界スペックを向上させることに成功した。
とはいえ、固有種との実験に使うぐらいしか使いどころが無かったんだよな。
なので出してみるのもありでは? と考えたが……うーん、無理そうだな。
「では、仮想戦闘でしょうか」
「仮想戦闘……言葉の意味は分かりますが。それはどういったものなのでしょうか?」
「魂、とは違うのですが、いわゆる残留思念ですかね? 魔獣はそれが強いらしく、何かに使えないかと試した結果生まれたものなんですよ……簡単に言えば、ちょっと弱めの魔獣にノーリスクで挑めます」
「それは……」
クローン魔獣との違いは、在庫……というか誰でも何度でも挑める点。
魔獣素材に宿る残留思念を擬似魂魄に蓄積し、それを隔離空間に封印した。
挑戦者はその中に入って戦える。
本来の魂魄が不完全な分少し弱いし、結界に仕込んだ術式の効果でデスペナも発生しないようにできた。
「素材が落ちないように思いますが、その分メリットが?」
「素材だけでなく経験値も手に入りません。ですが、[称号]や討伐実績は手に入るんですよね。こちらも劣化していて十全ではありませんが、挑む価値はあるのでは?」
「……たしかに、求める人は多いですね」
魔獣は討伐者には、大抵が『魔獣殺し:○○(固有名)』の[称号]が与えられる。
おまけにこれは統合効果付きで、『魔獣殺し』一つでそのすべてをセット可能だ。
それだけでも便利だが、一部の最上位職の中には魔獣相当の存在を討伐することが条件となっているものもある。
まだ試していないが、おそらくだが強大な魔獣ならば劣化していてもこれを満たすことができるだろう……こちらの案であれば、受け入れてもらえるだろう。
1
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる