虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
3,108 / 3,140
DIY、天を仰ぎ試練へと挑む

特訓ヘルモード 前篇

しおりを挟む


 次なる特訓は固有種たちと共に。
 降り注ぐ雷、砲弾──突撃する兎を捌き、生を求め抗っていく。

「──“破砕硝壁”!」

『キュッ!?』

 相手は光の速さで動く兎。
 物理法則を超越したその力は、■■因子から成る固有能力によって成り立っている。

 とはいえ、加速した肉体自体は物理法則に従って動く。
 光の速度で動けても、光そのものになるわけではない。

 つまり、壁は躱さなければその速度で衝突するし、擦り抜けることは不可能。
 ──そしてガラスにぶつかれば、その破片に苦しめられる。

『──ラヴィンド、退場だ』

『キュゥ……』

 それを観ていた風兎により、退場扱いとなる[ラヴィンド]。
 戦闘力という意味で俺は無力のため、ある程度攻略できた時点で離れてもらうのだ。

 当人もとい当兎はとても悔しそうだが、蹂躙される未来か見えないので諦めてほしい。
 光の速さで動く兎が退場した時点で、俺は勾玉に手を当てて次の準備に入る。

「──“再生入器光越の嵐ラヴィンド”」

 固有種の因子、そして代償を支払うことで彼らの固有能力をその身で体現する遺製具レリック
 そして何より、これは本来の持ち主が発動していない時しか使うことができない。

 参加者は全員把握していたため、最初から使えなかった肉体超加速能力。
 それを起動し、動きを速め──次なる攻撃に備える。

「“必射的中”」

 空を見上げれば、無数の攻撃が俺の下へ降り注いでいる。
 再び[インベントリ]式『抜刀』術、投げナイフを大量に展開して空に飛ばす。

 術式によって投げたものは自動的に、目的の場所へ向かって行く。
 ……その進路がすべてマニュアル入力だからこそ、“至行”の効果で精度が増す。

「そして、届け!」

 迎撃、そして反撃。
 ただの投げナイフなので攻撃性能は低い、だが本番であれば殺意マシマシの代物を投げつける予定だ。

 あちらもその想定なので抗いはする。
 しかしながら、“必射的中”は通り道を物理法則を無視して生み出せるもの──曲がりうねり、多くの投げナイフが命中した。

 今の俺は“光越の嵐”によって、投擲速度も光速となっている。
 風の抵抗などは“必射的中”が防ぐので、本当に光の速さに対応できる者のみ残った。

『ナイフが当たった者は退場せよ。躱し切った者、触れる前に破壊できた者のみその場に残って良し』

 風兎のその言葉に、残ったのは──三体。
 本来の実力は周りへの影響を鑑みて出せておらず、それゆえの数……まだ多いが、今回は勝つことでは無く生き残ることが目的だ。

『ツクル、解除しろ。長く使い続けることも無いだろう』

「了解……したくないなぁ」

『さっさとやれ』

「……はい」

 光速化が便利過ぎるのが悪い。
 まあ、あちらも不意打ちの初見はともかくすぐに対応してくるだろう……泣く泣く解除し、残った三体への対応を行うのだった。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

処理中です...