513 / 3,140
DIY、試練を受ける
当千の試練 その01
しおりを挟む開戦と言っても、俺が誰かと協力して戦闘する……なんてことはほぼありえない。
権能である『生者』の力は俺の切り札、決してその全貌を暴かれてはいけないのだ。
「まあ、要所要所バレてるけどさ。ほんの少しの真実は、途中で雑ざった嘘をも取り込んでしまう。だからこそ、俺はちょっぴりの情報を開示する」
誰かがパズルを組み上げるように、俺が持つ『生者』の権能に辿り着くだろう。
だからこそ、布石を打っておいた。
ブラフを見せ、個人個人がかなり類似する情報を手に入れる……それを共有すれば、真実に近い嘘ができあがるわけだ。
「『SEBAS』、こういうのって結構主人公が見抜く話があるぞ」
《たしかに、確実ではございません。ですが『生者』の真の強みは、たとえ知ったところで何もできない点にございます。【魔王】もそれを知っているからこそ、何もしません》
「まあ、『生者』の権能をコピーしたところで死に戻り自体はするんだからな」
ドッペルゲンガーである彼にとって、そもそも『生者』の権能自体が必要ない。
なぜなら、蘇生を可能とする魔物なんて数多く存在しているのだから。
《旦那様のお力は、守るためのもの。決して血を好むものではございません》
「吸血鬼じゃないからな」
《争いを好まぬ旦那様です。露払いは、すべて私にお任せください。主の手を煩わせるものは、すべて排除いたします》
「『SEBAS』……」
なんだろう、物凄く感動する。
執事っぽさを出しているというか、いつも出しているんだが今まで以上にそう感じているというか。
ドローンが飛び立ち、各エリアの向かう。
すでに戦いは始まっていた。
「さて、俺も始めるとしようか」
持っていたアイテムを天に捧げ、器へと注いでいく。
満たされていくソレを眺めると、ニヤリと口角が上がってしまう。
「ふむ、順調だな。これなら俺も楽しめる」
取りだした棒を器に差しこみ、ゆっくりとかき混ぜていく。
焦ることはない、じっくりと混ぜられたそれはやがて器の中で渦を生みだす。
「……完成だな」
そこにあるのは黒い液体。
闇のような黒とは違う、見ていて落ち着く安心する色だ。
それを口に含み、嚥下していく。
体の中に熱いものが取り込まれると、全身が熱を帯びていった。
「嗚呼、さすが『SEBAS』だな」
《お褒めいただき、光栄でございます》
「やっぱり『SEBAS』に任せて正解だったな──コーヒー作りは」
さて、旨いヒーコーも用意できた。
ゆっくりと観戦でもして楽しんでいこう。
11
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる