656 / 3,140
DIY、祭りに現れる
歓迎ミニゲーム その03
しおりを挟む無事、『だるまさんが転んだ』をクリアした俺は、続いて『射的』と看板を掲げている建物の中へ入った。
そこでは銃・弓・ナイフ・石など……思いつく限りの投擲用のアイテムが並んでいる。
「当てること自体を『射』と読むから、こういう風に並んでいるわけだが……やっぱり、違和感があるな」
《祭りではさまざまな物を投げておりますので、そういった形式となるのは致し方ないかと……使う品によって攻略法が異なります、旦那様はどれをお選びになりますか?》
「どれを選んでもいいのか?」
《はい。旦那様であれば、どれを選んでもクリアすることができるでしょう。私はただ、旦那様がもっとも楽しめるようにささやかなアドバイスを行うだけですよ》
少し、涙が出そうになった脆い涙腺を揉んで解し、その言葉に改めて感動する。
いずれはショウやマイも、こうやって親の後ろではなく前に進み出ようとするのか……なんだか感慨深いものがあるなぁ。
「じゃ、じゃあ──ダーツで」
ちなみに、先ほどやったときはほとんど選ぶ物が無かった。
弓は持てるが引っ張る力が足りず、銃は撃つと反動に耐えられないなど……現実での力が反映されていなかったらどうなってたか。
「すみません、ダーツをやらせてください」
「──はい。ルールはお分かりですか?」
「ええ、二回目ですので」
「そうでしたか……では、クリアを目指して頑張ってくださいね」
そう言って、受付で渡されるのは──五本の柔らかい手投げ矢。
要求すれば変更してもらえるが、俺はそのまま受け取ってダーツ用の会場へ向かう。
投擲スキルを持つ者、またそうでなくともダーツに自信がある者たちがダーツの会場には集まっている。
そのためすぐに出番が来るわけではなく、準備する時間があるわけだ。
「『SEBAS』、こんな材質なんだが……可能なのか?」
《仕様はほぼ変わっておりません。また、素材の一部は現実の物をそのまま使っておるようです。微調整が、改めてご報告します》
「スキャンしたデータとかか? まあ、コラボ商品とかを出すならそうなるよな」
味覚に美味しい食べ物の情報を伝えるために、運営もさまざまな物をデータとして用意しているのだろう。
そんな素晴らしい技術があれば、当然物体のデータ化も容易なわけで……。
「そうか……それなら世界の三大珍味もまた食べられるのかな? 俺、実は一度食べたことがあるんだよ。けど、今度は家族で団欒をしながら食べてみたくてさ……」
《畏まりました。研究所にて、それらの味の開発を行いましょう……と言いたいところですが、その味を持つ素材をドロップする魔物の生息地を探すことにしましょう》
「ああ、ぜひそうしてくれ」
さすがにDNA云々の品種改良で用意されるのは、まだ違和感がな……俺独りならそれでも構わないが、家族に問題があるのはさすがに困るわけで。
──もちろん、信じてはいるんだがな。
11
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる