虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
946 / 3,140
DIY、真・就職活動

冥界狩り その07

しおりを挟む


「ドロップアイテムはどういう風に回収すればいいんだ?」

《邪と聖に属するものたちの部位であれば、どこでも構いません。ただ、今回は霊体から邪霊となったものですので……もともと求めていた、邪核を使うのがよろしいかと》

「流れ的に、魔核の邪属性版って感じだな。消える前にさっさと回収しようか」

 基本的にEHOでは、時間が経てば死骸はどこかに粒子みたいに消えていく。
 だが対応するスキルやそれを持つ魔道具を所持していれば、その例外となる。

「ちなみに、モルメスもその一つだぞ」

 魂すら切れるメスに、解体機能を付けないはずがないだろう。
 そこに『SEBAS』の知識サポートが加わり、人型の邪霊だろうと綺麗に解体できた。

「……うん、だいぶ猟奇的だな。けど、アイテムごとにバッチリだ」

《解体を使わずともアイテムを得ることはできたでしょうが、やはり魔物……いいえ、魔力を保有した存在の素材を多く得るために、解体は最適な方法ですので》

「買える物は買っているけど、やっぱり貴重な素材は探しにいかないと無理だもんな。後は……聖属性だな」

 聖なる存在、さすがにこちらと同じ条件のヤツを倒すのは難しい。
 人であれば聖人だろうし、霊体だって聖杯の戦争に出てきそうな存在っぽいし。

「となると、一つ心当たりがあったな」

《──天上世界。『天死』という『超越者』の存在が確認されています》

「そう、それ。死徒と戦いまくったから、いちおう飛行ユニットに対する称号もいくつかあるわけだし。それをセットしてから行ってみれば、それなりに持つんじゃないか?」

《上空の世界は、旦那様のゲーム知識でたとえれば終盤やクリア後に訪れる場所。この地下世界同様、相応の戦闘能力を要します》

 なお、ここでレベルと言わないのは全然強くない俺への配慮だろう。
 どれだけ経験を積もうと、弱者はどこまで逝っても弱者でしかないわけだ。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 宮殿に戻ってきた俺は、今回収穫したアイテムの一部を提出しに来た。
 ここは『冥王』の領地のようなものなのだから、やっておかないと後が面倒臭い。

「……ねぇ、本当に倒したの?」

「それが今回求めていた品だから、提出はできないけどな。代わりに、殺っちまった霊体の核の大半は提出したぞ」

「にしても、ずいぶんな量。『生者』は本当に弱いけど強いわ」

「分かっていると思うが、霊体が奪うほど力がないのが俺だからな。逆に、唯一奪えるモノはデカ過ぎて不可能だ。ある意味、あそこは俺にとって絶好の狩場ってわけだ」

 なんてことを言った後、俺は冥界を去る。
 次は天上に向かうわけだが……はてさて、どうやって行けばいいんだか。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

おばさん冒険者、職場復帰する

神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。 子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。 ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。 さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。 生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。 ----- 剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。 一話ごとで一区切りの、連作短編(の予定)。 ----- ※小説家になろう様にも掲載中。

処理中です...