虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、家族と共に

家族冒険 その01

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 始まりの街──休人たちが一番初めに訪れるであろう場所、スタート地点。

 そここそが、俺たちの初めての共同作業に相応しい場所だと考えた。
 なので、俺はそこで待っていた──愛すべき者たちを。

「あなたー!」

 誰という固有名詞の無い声が、俺の待つ噴水広場に木霊する。
 決して声を張り上げたわけではないが、不思議とそれに誰しもが注目した。

 ──それだけの魅力を、兼ね揃えた女性なのだ……俺の妻は!

「ごめんなさい、遅れたかしら?」

「…………」

「もう、どうしたの?」

「……いや、やっぱり可愛いなって」

 教祖をやっているような立場なので、姿は変装してのものだ。
 髪や目の色を変え、休人たちがよく使う金髪と青色にしてある。

 それでもなお、彼女の愛らしさを奪うことなどできない。
 普段と違う色でも、噛み合う美貌が変装という行動を無駄にしてしまっている。

 たしかにルリを休人名『アズル』だと勘違いする者はいない……が、絶世の美女がそこにいることに変わりないのだから。

「──『SEBAS』」

《畏まりました──防衛武装展開、奥様への存在偽装を開始します》

「あら、セバス君も居たのね」

《お久しぶりです、奥様。皆さまの冒険を快適に送れるよう、サポートを行わせていただきます》

 一体のドローンに音声機能を持たせ、ルリと話す『SEBAS』。
 ルリも『SEBAS』のことは肯定してくれているし……うちの新しい子供扱いだ。

 そんな『SEBAS』によって、ルリの姿が映像として投影される。
 もう一人のルリが生まれ、それはスタスタと別の場所へ移動していった。

「これで、他の奴らは勝手に勘違いしてくれるだろう。今、本当のルリを見ることができるのは……俺たち家族だけだ」

「あらあら、セバス君は凄いのね」

《お褒めに与り光栄でございます。しかし、それらはすべて旦那様の──》

「いいのよ、セバス君のやったことはセバス君が褒められることなの。お父さんも、セバス君が喜ぶ方が嬉しいわよ」

 まったくその通りだ。
 俺に……俺の家族に尽くしてくれるAIを始めは望んだが、共に居て自分が生みだしたとなれば親愛が芽生えていた。

 そんな『SEBAS』が喜んでくれるのであれば、俺も嬉しい。
 だからこそ、あの手この手で褒めてはいたのだが……そのまま今に至っていた。

 ルリは凄いな……やりたくてもやり方が分からなかったことを、無自覚でやり遂げてくれているのだから。

「さて、あとは二人を待つだけだな」

「そろそろ来るわよ──ほら、ちょうどあそこに居るじゃないの」

「……うん、展開が速くて何よりだ」

 望んだからこそ、着いたのかも……それがほぼ確実だな、と思う俺と『SEBAS』なのだった。

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