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DIY、発明する
万戯華境 その02
しおりを挟む「まずは、台風の中に突っ込まないとな」
人として、言っていることの異常性に違和感がガンガン鳴り響いている。
だがまあ、それがこの先に進むために必要なことなのだ……我慢するしかあるまい。
「普通に転位装置で入ることはできるか?」
《魔力を帯びた風のため、転位や転移での侵入はできません。周辺への侵入は困難となるでしょう》
「直接行かないとならないわけか……さて、方法を教えてくれ」
《畏まりました──風がある以上、ドローンの飛行もできません。旦那様には、結界を用いて内部へ入っていただきます》
うん、つまりは強行突破である。
今回の面倒臭さは、『SEBAS』にもそのようなアイデアを提案させたのか。
なお、台風の中には暴風を住処とする魔物や巻き込まれた魔物が混ざっている。
この方法を考えたとしても、並大抵の奴はそこから弾き出されるわけだ。
「じゃあ……行きますか」
鞘型の結界『ソードデバイス』を使って、自身を包む膜を構築する。
さまざまな自然現象に対応した結界が存在するが、今回は単純な物理結界だ。
《もっとも干渉を防ぐ異層結界もございますが、そちらは名の通り異層を形成して干渉を阻みます。今回の場合、『超越者』の転送まで防いでしまう可能性がございますので》
「物理限定ってことは、魔力現象に関しては意味ないってことか。まあ、結界の目的は俺の保護をするためだし、問題ないよな?」
《はい。結界の座標を固定することで、台風に近づくまでに吹き飛ばされることを防ぎます。魔物はこちらで処理していきますので、どうかご安心を》
「分かった。『SEBAS』、頼んだぞ」
海に向けて一歩足を踏み出す。
ただし、水に浸かるようなことはなく……そのまま結界を足場に歩いていく。
波に揺れればそのまま死んでしまう。
また、安定した踏み場の方が結界の座標特定が簡単に済むからな。
「ふむふむ……だんだんと風が強くなっているみたいだな」
吹き荒れる雨風、そして雷が自然の猛威として襲い掛かってくる。
魔物たちもそれと同じくして、侵入者である俺めがけて突っ込んできた。
「で、どうやって対応するんだ?」
《通常であれば、魔物にも対応した高電圧で痺れさせます……ですが、今回はそれを実行しても通用しません》
「そりゃあ、嵐の中に住むような魔物を相手にやることじゃないよな」
《ですので、今回は魔術“千変宝珠”をこちらで発動。魔物たちに命中させます》
そうして、『SEBAS』が処理してくれるので俺は安心して台風の中を潜れる。
規模が大きいため、目的地も遠い……住んでいる魔物も多いんだよな。
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