虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
1,409 / 3,140
DIY、お祭りを満喫する

聖獣祭中篇 その19

しおりを挟む


 選ばれた者だけが入ることのできる場所。
 森獣たちが周りを守護し、聖獣が直接管理する大森林の中央区。

 そこへ向かうためには、まず資格を集めなければならない。
 それを持って転移陣に乗ることで、中央区の結界を超えて中に入ることができる。

「許可を持つ者の前に、扉は開かれる……前はアレだったけどな」

 俺の中に預けられた許可証が光り輝き、転移陣が呼応した。
 やがて俺の視界が一瞬光に包まれると……そこでは、異なる光景が広がっている。

 俺もかつては足を踏み入れたが、それは少しトラブルが起きている最中だった。
 その時は漂っていた禍々しい霧も、今は綺麗さっぱり無くなっている。

「うん、前回も思ったけど……ここはある意味、モフモフ天国だな」

 周囲の九つの区画を守護するのは、成体になった森獣たちだ。
 では、幼体たちはどうなのか……答えは、中央区で育てられている、である。

 前回も見た多種多様な森獣の幼体たちが、この区画のあちこちで歩き回っていた。
 まあ、これを目的に頑張った非戦闘職なども居るんだろうな。

「ここには、これまでの祭りで優秀な成績を出した屋台が集まっているんだな。事前に報酬を貰った上で、ここに来た者なら誰でも無料のもてなしを受けることができるわけだ。いやー、これなら誰でも喜べるな」

 一部は有料だが、基本的に何かしらは無料でやっているみたいだ。
 武人なら武器の手入れをしてもらっているようだし、料理を食べていたりもする。

 俺もいくつか料理に手を伸ばし、その味について『SEBAS』と話してみたり。
 ずっとこの場所に居てもいい……が、他にもやりたいことがあるからな。

「……結局、どうすればいいんだろうか」

《旦那様はどうされたいのでしょうか?》

「まあ、面倒事になりそうだから避けてはいたけど……うん、そうだな。大人なんだし、ケジメは付けておきたいとは思うぞ」

 五つの許可を得て、俺はここまでやってきたのだが……あえて特定の場所を通らずに、どうにか突破したと言っても過言ではない。

 なのでそれを解消するためには、必ずそこで出会わなければならない──森獣に。

「それに、どうせなら最後までやった方がいいだろう。森獣の加護だけじゃなくて、聖獣の加護も貰ってしまおうか」

 だが、それをするためには中央区に来るためだけではダメなのだ。
 許可九つ、それだけ集めなければ聖獣に会うことはできない。

「中央区以外に八つ、そしてここでもう一つ得ないとダメなんだよな……」

 この無理難題、果たしてどう達成するべきか……うん、今日が終わる前に答えを見つけておこうか。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

処理中です...