1,436 / 3,140
DIY、お祭りを満喫する
聖獣祭終篇 その06
しおりを挟む「切り替えです──『剣矢』」
瞬時に[インベントリ]から弓と矢(剣)のセットを取りだし、番えては発射する。
曲芸のような動きで放つ射撃、しかしその狙いは的確で複数体の魔物を貫いていく。
なお、その剣は剣であってそうではない。
名は『喰獣の剣』、かつて牙による死の因果を改悪して生みだした一品。
触れただけですべての獣を食い殺す、そんな性質を持っていた牙である。
それは劣化し、剣の形になることで……ギリギリ獣が死なない程度に収まった。
まあ、それも矢として射ってしまえば普通に殺せてしまうのだけれど。
矢にするのには剣である必要があるため、ちょうど良かったから射っているだけだ。
「重ねて──【刀王】」
弓を仕舞い、矢にしていた剣を握る。
再現するのは、刀の蒐集家である男。
本来は刀専用の動きなのだが、剣でもできないわけではない。
それに、『喰獣の剣』はただの剣ではないので、多少は応用が利く。
魔力を籠めることで、犬歯が伸びるように反り立つ──そう、刀のように。
「武技が無い方が強い再現は、滅多にありませんよね!」
魔物たちに向かって俺も突撃する。
その近くを通るたび、腕が振るわれ──魔物たちが斬られていく。
ついでに俺もその高速抜刀に耐えられないで死ぬが、今回のルールには反しない。
これまでの攻撃と違い、抜刀術はその抜刀ごとに死亡数がリセットされる。
これまでは10体ずつだった死亡数も、ある意味この移動でどんどん減っていく。
武技をいっさい用いず、己の技量のみで行われる抜刀術。
特に巧いのは首を狩る居合。
どんな体勢からでも、剣は魔物の首を切り落としている。
「職業も使いきましょう──“姿構五行”、“武魔一体”」
刀を持つ際の姿勢を良くできる能力、そして魔力操作と武術戦闘の両立に補正が入る能力を起動してみる。
俺自身にその変化は分からないが、なんとなく抜刀の速度が速くなった気がした。
動きの再現には魔力を用いているし、補正の効果はそれに用いる結界にも対応する。
その結果、さらに速度が上がる。
魔物は数が減るほど強化されるはずだが、それを物ともせずに、どんどん首を飛ばしていく再現の抜刀術。
『──驚きですね。これほどまでに、圧倒的な闘いになるとは』
「これが、私がこの世界で学んだものです」
『……そのようですね。そして、それゆえの選択なのでしょう──獣神様のご意思のままに、試練は次の段階へ向かいます』
なんとも嫌な予感のする聖獣様のお言葉。
何が起こるのか……うん、魔物が立ちはだかるその奥で、ナニカが胎動しているな。
0
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる