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DIY、多世界と交流する(物理)
多世界バトル前篇 その23
しおりを挟む始まりはとても静かに。
両者ともに相手の挙動を窺うでもなく、ただ何もしないで棒立ち状態。
変化の起きない光景に、痺れを切らす観戦者も居たが……それでも変わらない。
だが、三十秒が経ったそのとき──舞台の中央で爆発音が鳴り響く。
「……くっ」
「ほほぉ、これを受け……ておらぬではないか。じゃが、なかなかにイイのぉ」
俺とジーヂー──翁が同時に放った一撃によって破裂した音だ。
しかし、その結果は互角ではない……破裂したのは空気ではなく、俺の腕だった。
腕そのものは残っているが、内部がズタズタにされてしまう。
死によって『生者』が内包する[称号]の効果が発動──表面的な修復が行われた。
それでも、『バトルラーニング』は最適な動きで翁の攻撃を相殺している。
……翁は攻撃だけだが、俺は俺自身が殺されているんだけどな。
「ふむ……ならば一つ、試してみるのもまた一興──“虎砲”!」
「ッ……!?」
その攻撃は、俺を吹き飛ばす。
ただ翁は拳を変に握って突き出しただけ。
死んだ後に[ログ]を見れば、空気の弾丸に吹き飛ばされたと分かった。
だが、風魔法による空気の弾丸も躱せるはずの『バトルラーニング』が、それをできなかった……そもそも、対応する挙動を取れずにいたのだ。
「……既存の武技では、ありませんね」
「ほほぅ、さすがに早い。そうじゃな、それは間違っておらぬよ」
「ルール的に、誰かが開発した武技と言うわけではないでしょう。何より、本来のシステムでは存在しないもの……『プログレス』によるものですね」
「さぁ、どうじゃろうか」
誤魔化してはいるが、間違いない。
今は分からないが、武技に何らかの形で干渉できる『プログレス』を持つようだ。
俺は管理者権限で、『プログレス』すべての情報を把握できる。
ある暇なときに確認したところ、そういうナニカを生み出す系の能力を見ていた。
当時見たそれは魔法を生み出す能力だったが、その武技版があってもおかしくはない。
ただそのとき、『SEBAS』が教えてくれたことがあったな。
「そのお歳でクリエイターとは……創造力が豊かな方ですね」
「──。『いまじねーしょん』、たしかにそれも重要じゃろうが……やはり大切なのは、これじゃよ──“龍砲”!」
あえて俺の問いを誤魔化し、先ほどとは異なる形を両手の拳で表して突き出した。
すると、先ほどよりも強力かつ高速な一撃が俺を吹き飛ばす。
先ほどの一撃から『バトルラーニング』も学習したようで、すぐに立て直した。
二度目は無い……だが、一度目を何度も続けられるのはかなり危うい。
「鍛え上げた武、そして編み出した技……儂の一族が受け継いできたこの力、貴殿がどこまで足掻けるか見物じゃわい」
今回はかなり不味い……搦手が通用すればいいんだけど。
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