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DIY、守り攻める
闘技領域 後篇
しおりを挟むある程度戦えたからだろう、現在魔物たちはまったりと食事を行っている。
魔物は基本何でも食べる雑食、中でも気に入っているのは俺が初期に渡したフルーツ。
そこはどれだけ強大な存在になろうと、変わらないようで。
いかにも肉食系な姿をした巨大な獅子も、ヘルシーにイチゴを食べている。
《旦那様、闘技領域に関するご説明を続けてもよろしいでしょうか?》
「ん? 正直、ここでやっていることだけでもお腹いっぱいなんですけど……」
《そう言わず。この領域ですが、すなわちアイスプルの世界の一部です。すでにこれは世界の理として刻まれた事実ですので、不変のものとなっています》
「えっと……つまり?」
なんとなく答えは分かったが、それでも確認しておく。
アイスプルの世界、そう誇張するのであれば該当するのは──
《『星域』、そして星具装備でのセット効果による領域確保の能力で、闘技領域を構築することが可能になります》
「…………やっぱりか」
《これにより、外部世界での魔物たちの安全が確立されます。彼らの望み通り、旦那様の御役に立つかと》
「……。少し、時間をくれ」
単純明快、新たな力を手に入れた。
……そう割り切れるのは、この世界の住民へいっさいの関心を向けない連中だけだ。
大なり小なり、彼らを一個の命を持つ──データ上であっても生きている存在だと受け止めている者たちであれば、俺と同じように悩むだろう。
彼らがもし、闘技領域が正常に機能しない状態で殺されれば、二度と復活はできない。
従魔師と従魔の関係以上に、キツいリスクがそこにはある。
蘇生薬だって使えない、他の世界において彼らは糧となる理なのだから。
相応の力を得た代償が、不可逆の死……それでも彼らが選んだ道だ。
「……風兎」
『なんだ?』
「彼らは……死ぬ覚悟ができているのか?」
『何を言うか、無駄死になど私が許さん。だが、民たちにとってお前を大事に想い、その身に変えても力を貸したいと願っている……それは決して無駄ではない、のだろう?』
俺以上に、風兎は魔物たちのことを大切にしている。
そんな風兎がこう語る以上、決心を鈍らせることはもうできない。
「本当に必要なときは、頼らせてもらうか」
『ああ、そうしろ。私も必要なのであれば、遠慮なく呼んでくれて構わない』
「正直、『プログレス』を貸してくれるだけでも充分なんだがな」
『ふっ、私であればお前以上に上手く使いこなせるだろうな』
闘技領域を構築できるのは、アイテムと装備のどちらであっても狭い範囲に限る。
決して世界征服はできないが……うん、都市崩壊ぐらいならできちゃうんだよな。
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