1,688 / 3,140
DIY、広めに向かう
WITH仙王 その20
しおりを挟む不屈のニートこと【仙王】は敗れ、それなりの時間お説教を受けることになった。
まあ、ある意味仕事をやらない時間が貰えたのだ……それで我慢してもらいたい。
「さて、改めて礼を言おう。迷宮の件、そして……王の件もな」
「いえ、前者はともかく、後者はほとんど趣味へ走っていましたので。あのときの映像は後日、家族で楽しむこととします」
「……理由はともあれ、王も力を付けた。やがては、『超越者』に至る可能性も……無くなっていたのだったか」
「ああ、そちらですか。『プログレス』を利用している間は『超越者』に目覚めることはありませんが、適切な処置をすれば資格自体は取り戻すことができますよ」
あくまでも、『プログレス』は権能を行使する枠を間借りしているだけだし。
そこを綺麗さっぱり空にすれば、有資格者ならば自ずと『超越者』となるだろう。
しかし、『闘仙』は何やら重い顔だ。
……次に語った発言で、その意味はすぐに理解できるのだが。
「──王が、手放すと思うか?」
「あー、無理そうですね」
「経験上、『超越者』とはあくまでも職業や行動の延長線上でしかない。特異なものもあるにはあるが、王の欲するような権能では無いだろう。ゆえに、不可能に近い」
職業が『超越者』化するケースは、極めて珍しい。
長い間、誰もその座を奪えないほどに、座に就き続けなければならないからだ。
そういった意味では、初代【仙王】はある意味惜しかったかもしれない。
死してなお【仙王】に就いていれば、可能性はあっただろう。
だが、一部の職業を除いて死ねば結びつきが失われて離職──つまり職業は消える。
そして新たな適性者の下へ、就くための条件が提示されるだろう。
「ところで、『闘仙』さんの権能はたしか、代々武で仙術を示していた人々の証、ということでしたよね? それ以外、『超越者』に成り得るものは無いのですか?」
「……どうだろうな。仙術には元より、肉体の強度を高める術などはある。だが、仙人のあるべき姿に肉体のみで戦うという形が無いからこそ、『闘仙』が生まれたのだろう。純粋な仙人の姿で、目指すのは困難なはずだ」
「文字通り、何らかの形で超越した者にならない限り、道は開けないというわけですか。『王』を冠する権能たちは、それを実際に満たしている。末恐ろしいものです」
それが当代の発現者かは別にしても、人がシステムを超えたことの証が『超越者』だ。
可能性はゼロではない、冒険世界だからこそのシステムなんだろうな。
0
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる