虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
1,807 / 3,140
DIY、家族と戦う

第二回家族イベント後篇 その02

しおりを挟む


 ついに始まったショウ対ルリ。
 カウントが0になった瞬間、舞台上で起きたのは二色の光によるぶつかり合いだった。

≪ショウ選手、武技による急接近で障壁へ攻撃を──っと、これは!?≫

 剣にオーラを纏わせ、“速断ソニックスラスト”と呼ばれる武技で障壁に向かって攻撃。
 ショウの職業、そして星剣自体が生み出すオーラも相まって、武技の威力は向上。

 障壁は耐えた──だが、それは一瞬だけ。
 神の力を以ってしても、ある条件を満たした星の剣には敵わなかった。

《ショウ選手の持つ剣は、旦那様の打ち上げた星剣。そのため、アイスプルで用いる際は特別な効果を発揮します──耐久無視、それが『地星硬剣[フライハット]』の持つ真の力です》

 その剣の銘は、かつて俺がショウのために初めて打ち上げた一振り。
 ショウに剣を何本も送っているが、俺はそれをたまに返してもらって改良していた。

 想いの籠もったアイテムは、再度手を加えることで著しく伸びることがある。
 いわゆる付喪神、ショウが大切に使っていたからこその結果だ。

 耐久無視と『SEBAS』が言ったその効果もあり、ショウはルリの障壁を破壊。
 そのまま剣士の高い敏捷力で攻撃を……といったところで、ルリも動きを見せる。

≪ここでルリ選手、腰に提げていた短剣を引き抜きました……あっ、俺の創った儀礼用のヤツだな≫

《そして武技“後退突バックスタブ”を利用し、上手く回避しましたね。ショウ選手も追撃しますが、アズルルリ選手は短剣を触媒にして魔法を発動させました》

≪……えっ? えっと、ルリ選手が増えましたね。こ、これは……幻覚でしょうか?≫

《はい。おそらくは“幻光ミラージュ”系統の魔法、そこにアズル選手の神気を交えることで、生み出される幻覚を限りなく本物に近いレベルに昇華させていると思われます》

 無数に現れたルリ。
 ショウはすぐに魔法を発動させていた地点に向かい、攻撃をするが……そこに居たルリは蜃気楼のように消えてしまう。

《おそらく、事前に異なる魔法で姿を消していたのでしょう。もしかすると、あの中に本物は居ないのかもしれませんね》

 本物のルリがそうしたからだろう、短剣を触媒に再び魔法を発動。
 多方面から放たれる光線、しかしショウはそのどれか・・・が本物だとは思わなかった。

 どれか、ではなくどれも・・・
 すなわちすべてが本物だとでも言わんばかりに、剣を光線すべてに当てる──するとそのすべてが、魔力を霧散させ消えていく。

 幻覚だから消えたのではない、魔法の核を打ち砕いたから消えたのだ。
 それはつまり、ショウの読み通り光線全部が本物だったことを意味していた。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

処理中です...