2,039 / 3,140
DIY、捌いて裁く
プログレス問題 中篇
しおりを挟む最近、『プログレス』の成長も進みその分だけ厄介になってきたようで。
いちおう言っておくと、『騎士王』にはその対策をとっくに渡している。
「『騎士王』さん、アレは使っていないのですか?」
「ああ、停止の装置か。無論、使ってはいるがいかんせん……数が足りん」
「ある程度の都市であれば、運用可能だとは思うのですが。まあ、そうなると、自動的に村や町が狙われますね」
最初から犯罪者などの懸念はされており、その対策として『プログレス』の起動を妨げる阻害装置などは存在していた。
ただし、強者を封ずるのに絶対など無いのと同様に、出力の問題などで封殺することは不可能だけれども。
それでも、小物が軽犯罪を起こすために使うことは妨害できる。
ついでに妨害装置を擦り抜ける魔道具もある……うん、これもいたちごっこだ。
「村や町全部に用意することは……まあ、できなくはありません。しかし、正直に言って無駄になるでしょうね」
「それは分かっている。だが、可能性は少しでも抑えるべきだろう」
「……それもそうですね。では、条件付けをして提供しましょう」
「条件か……言ってみろ」
こういう場合、無償提供の方がいろいろと問題が出てくる。
信用性云々もあるが、やはり軽視されてしまうのだ。
魔道具だってただじゃない、使い続けるためにはメンテナンスだって必要になる。
それらすべてを無償で得られるのは、目に見えないナニカを支払うモノだけだ。
「──失名神話の布教、そして信仰を認めさせます。教会が無い場所には建設を、ある場所にはその許しを。それを認めない限り、こちらからは何も差し出しません」
「信仰か……何を企んでいる?」
「単純な話、『プログレス』は失名神話に属する女神プログレスの管轄です。であれば、本来使用者もまた彼の女神様を信仰するのは当然ではありませんか」
「…………なるほど、上手くできている」
要はマッチポンプ(という体)である。
危険なのもそれを守る術も、どちらとも同じ『プログレス』に関わるもの……女神プログレスを信じさせるための糧だ。
まあ、この世界には本当に神様が居て干渉もしてくるので難しいだろう。
それでも、手を差し伸べないのに信仰だけしろと強要する神よりは求められるはずだ。
「いかかでしょう。どうかこの言葉、他でもない『騎士王』さんから皆さんにお伝え願えないでしょうか?」
「そのうえ、私を信用保証のために使うか。まったく、仕方の無い奴だ」
「大切なのは人々の命、また信仰を止めろとも変えろとも言っていません。失うものは何もありませんよね」
「……ハァ、承知した。これで、この話に関しては終わりだな」
うん、物凄く不吉な予感がする。
しかし、結界が張られてここから逃げることはできない……はい、延長戦ですね。
0
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる