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DIY、捌いて裁く
続探索イベント その12
しおりを挟むドアを内側から破り、出現した捩じれた空間の調査を行うことに。
ただし、普通の方法では観測できなかったので『プログレス』を用いて、である。
「……暇だな」
通常の観測手段であれば、『SEBAS』が何度も扱い効率を上げていた。
しかし、『プログレス』はそれぞれの規格が独自なのでそれらを合わせる必要がある。
そのため、時間が掛かり俺にできることは何も無い……つまり暇なのだ。
空間の捻じれに策も無く突っ込めば、呑み込まれて死に戻ることに。
正確には、強制退場であるが。
平時は蘇生の待機時間で即座に復活している……と偽装して誤魔化せているが、捻じれに呑み込まれれば即座に退場扱いなのだ。
「『SEBAS』、俺にできることは何かあるか?」
《…………でしたら、空間に接触を。空間に対する親和性を上げることで、空間系の職業の就職条件を満たすことができます》
「親和性……上がるかな? まあいいや、やることも無いしやってみよう」
情報処理に時間が掛かっているからか、普段より遅い返事を返す『SEBAS』。
それでも意見は俺の興味をそそり、さっそく試すことに。
「まずはツンツ……死ぬな、おい。うわっ、取れたよ」
腕を突っ込んだ先が失われる。
痛覚は無く、まるでそれが正常だったとでも言わんばかりの綺麗な切断面。
おそらく、ポーションを掛けたり回復系の魔法を使っても治らないだろう。
空間の影響が、切断面に付着しているからこそ出血にはならず断たれているのだから。
「よいしょっと……死に戻りの仕様が、初期設定のアバターを復元で良かったよ」
軽く自分の体を叩くと、『貧弱な武力』の効果でHPが確実に1を減らす。
そして、俺の生命力が1なので……そのまま死に戻り、『生者』の権能で復帰する。
その時、アバターを復元する死に戻りの効果で捩じり取られた腕も元に戻った。
軽く腕を振り回し……当たった胸で死に戻り、意味も無くまた復活する。
「『SEBAS』、どうだ?」
《…………解析情報から、ある程度通るべきルートは把握できました。ですが、確実性が出るまでもう少しお待ちください》
「まあ、今はともかく空間内で死に戻ったら強制退場だしな……念入りに頼むぞ」
《畏まりました》
方法は先に『SEBAS』が挙げた通り、『フロートアーム』に運んでもらっての移動になるだろう……やることも無いし、そちらの練習でもしておいた方がいいだろうか。
「……『インストール:フロートアーム』」
すでに『イッスンボウシ』も解除していたので、空いた枠に異なる『プログレス』の情報を書き込む。
使えるようになった『プログレス』によって、どこからともなく現れた腕。
その大きさを調整し、俺は巨人サイズの掌に載っての移動を試すのだった。
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