虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
2,081 / 3,140
DIY、捌いて裁く

オリンポス神殿

しおりを挟む


 オリンポス山の山頂、オリンポス神殿での一悶着。
 お偉いさんに庇ってもらいつつ、辿り着いた巨大な絵に触れ──目的の場所へ。

「ここが……本当の神殿」

 神殿とは神像などの信仰対象を置く場所でもあるが、神の住居という意味合いもある。
 俺の来た場所はまさにそれで、例の絵を通じて本当の神殿にやって来た。

《座標は同じ場所です。神の権能……いえ、これは元よりそういった設計で築かれた物なのでしょう》

「神殿が先か、神が先か……いずれにせよ、最初から予定されていたからこそ、だな」

 要するにやりようによっては、俺と言うか失名神話の神々でもできるわけだ。
 まあ、その辺は女神プログレスを介してでも決めるとして……問題は他にある。

「──さて、何か申し開きは?」

「えーっと……てへぺろ♪」

「反省は無し、と……後ほど、然るべき対応があると思ってください」

「うぅ……すみません、こちらとしても予想外だったんですよ」

 何でも、プログレス側としてはきちんとアポも取って転移の許可を取っていたらしい。
 だというのに、転移後に俺は居ないし転移阻害の除外から俺の登録が消えていたと。

 理由は分からないし、担当者も首を傾げていたそうだ。
 ……いろいろと言いたいことはあったが、今言うべきは一つ。

「失名神話の神々に、何かトラブルなどは起きていませんか?」

「はい、そちらには何も」

「ならば構いません……私が対象となり、囮となるのであれば。しかし、そうですか……この会、何か裏がありそうですね」

 まあ、妨害行為をしたうえで落ち度を失名神話に押し付けるつもりなのだろう。
 普通なら会場を提供したギリシア神話が責任を持つのだが、おそらくそうはならない。

 単純な話、ギリシア神話がそれをする必要は無いからだ。
 そしてそれは、北欧神話も同じこと……むしろ内輪揉めを疑われることになるだろう。

「『SEBAS』、可能な限り注意して観測の方をお願いします。秘匿となっている区画には手を出さず、あくまでもパブリックな場所で構いません」

《畏まりました》

「プログレス……貴女にも一つ、お願いしたいことがあります。私が向かう前に、神々に伝言の方をお願いできますか?」

「はい、問題ありません」

 間違いなくこの後も、俺を貶め失名神話の神々に迷惑を掛けるような何かが待ち受けているだろう。

 そのことを事前に伝えてもらいたいし、何より俺の覚悟を伝えてほしかった。
 内容を聞いたプログレスは、それを失名神話の神々に伝えてに行く。

 俺は俺であることを準備しつつ──指定された場所へ向かうのだった。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【完結】天国の扉

藤井 紫
ファンタジー
〈佳作〉神に仕えるキャラが登場するファンタジーコンテスト【エブリスタ】 流行り物ではありません。【2025年4月完結済52万字】 こちら、修正忘れがあるかもしれませんm(_ _;m) 『魔女は、悪魔と契り、特別な力を得、黒髪になる』 ヴァロニア王国では、黒髪を持つ者は「魔女」として忌み嫌われていた。 13歳の誕生日、ジェードは魔女の疑いをかけられ、国を追われる。 逃亡の末、たどり着いた謎の異国・ファールーク皇国。彼女を迎えたのは、 自らも天使によって呪われた少年・ハリーファだった。 魔女と王族――ふたりの出会いが、王位継承と信仰の争いを大きく揺るがしていく。 政治と陰謀、信仰と過去が絡み合う、重厚戦記ファンタジー。 ※他サイトでは、ほんの少し加筆と修正していますが、こちらはまだ修正前です。 ※本作には、架空の世界観に基づく人種・出自・信仰・性別・階級等に関する差別・偏見・抑圧の描写が含まれます。 これらの表現は、物語上の背景や登場人物の信念を描くためのものであり、現実世界における差別や不当な扱いを肯定・容認・推奨する意図は一切ありません。 ご理解いただけますと幸いです。 ※書き始めが2010年ですので、当時と現在(2025年)の創作の倫理観に若干の差があります。  ご理解いただけますと幸いです。 ※エブリスタの「神に仕えるキャラが登場するファンタジー」佳作受賞。2020年10月 冒頭20000字の【書評】 魔女狩りの吹き荒れる時代が舞台。中世ヨーロッパに似た世界観にスッと入り込みやすい文章です。冒頭の処刑シーンで、現代とは違う価値観が支配していることを提示。場面が変わって、穏やかな日常から風雲急を告げる事態へ。緩急をつけた語り口が見事です。ただ魔女疑惑で村人が集まるシーンでは、ウィルダーの動向も知りたいと思いました。壮大な物語の幕開けの部分だけで、今後に期待できるピースが取り揃えられています。 (これを励みになんとか完結させました。今後は読んでもらえるように努力します!) ※見てもらえる機会を増やすため、下記サイトで同じものを公開しています。 ・カクヨム ・小説家になろう ・エブリスタ(※途中まで描いて頂いた挿絵あり) ・アルファポリス たまに修正更新をし忘れるので、カクヨムが一番間違いないです。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

処理中です...