虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
2,254 / 3,140
DIY、監獄ライフに勤しむ

脱獄計画 その12

しおりを挟む


 混沌の使徒に対抗するため、神殿を造る計画を『修羅』に話してみた。
 実際の所、この『星層監極』自体に神殿が無かったのも問題だったんだよな。

「お互いに不干渉を決め込もうとしたから、その隙を突かれたんだよな……」

 星と神、それぞれの思惑が絡み合った結果生じてしまった隙間。
 そこに潜り込まれてしまったからこそ、奴はここに来た。

 なので俺はそれを塞ぐべく、神殿を建ててシャットアウトを図るつもりである。
 具体的にどうするか、と言わればとても簡単な話。

「──さぁ、皆さんお願いします! 報酬は事前に提示した通り、一時間の食べ放題を予定しています!」

『うぉおおおおおおお!!』

 食事で釣った星敵たちが、街の外で巨大な神殿の建設に励んでいる。
 なぜ外かと言うと、その方が魔物の星敵が本領を発揮しやすいからだ。

 彼らは広い迷宮から素材を集め、それを加工している。
 ある程度の位置に置いたら、それを人の星敵や人化状態の魔物の星敵で調整していく。

 何だかんだ、協力者は多い。
 それは今までの積み重ねもあるし、単に混沌の使徒の思い通りになるのは嫌だという打算的な考えによるものもある。

 だが結果として、一丸となって一つの作業に勤しむ姿は……なんと素晴らしい!

「──はいそこ、こっそり時限式の術式を仕込まない」

「チッ!」

「わざと舌打ちで殺さないでください。あとそこ、隠してもその禍々しさは出ますよ、私が死にますから」

「くそっ、お前の雑魚っぷりを忘れてた!」

 ──などと言うまでもなく。
 先ほども言った通り、打算ありきなのだ。
 それは俺への協力にメリットがある、という一点しかない。

 そのメリットによって、俺に不利益が生じても問題無い……むしろその方が良いと思うような連中も混ざり、神殿造りはかなりカオスな状態となっていた。

「改めてお伝えします。どれだけ細工をしようとしても構いませんが、その代わり現場でそれを咎められた場合は止めるように。事前に契約を交わしましたので、逆らわせることはありませんよ」

 要はバレないように仕込め、ダメなら大人しく仕事をしろという命令。
 交渉の際は彼らのプライドを軽く煽ったら一発だった……さすが『SEBAS』。

「都市造りもそうだったんだが、俺が関わる事業は尽く速度が半端ないな……」

《旦那様の世界の技術力でも、まだここまでは及びませんね》

 そりゃあとんでもないパワーの持ち主が、コンピューター並みの繊細さで動いたり、物理法則を超越した現象を引き起こすのだから仕方が無い気もする。

 ──だからこそ、神殿の外側自体はたった一日で完成するのだった。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

処理中です...