2,332 / 3,140
DIY、監獄ライフに勤しむ
脱獄実行 その30
しおりを挟む邪悪神殿 七十九層
「……おおっと、ついに変化が」
何も変化がないことに違和感を覚え、警戒しながら上っていった七十層以降の階層。
原付を飛ばして辿り着いた七十九層、そこでようやく変化が現れる。
『■■■■……』
「ただまあ、望んじゃいない展開だな。邪悪な魔物、プラス侵略者と宇宙的恐怖。怖い物のバリューセットだろう」
今までは鳴りを潜めていたゲテモノごった煮みたいな個体たちが、この階層から再び現れだした──それも大量に、まるで今までに貯めていたモノを解き放つが如く。
「スルーしてもしなくても、何かしらの問題はありそうだな」
《そのようです──こちらを》
「…………おっと、あからさま」
それはドローンが撮ってきた映像。
映し出されているのは、この階層から出るための転送陣──ただし二つ、普段のモノに加え禍々しいどす黒い転送陣が存在した。
「誘ってる? これ、絶対に俺を誘っているよな。けど、星がこれに関わっているかと聞かれれば──」
《おそらくは関与していないことでしょう。それを証明するように、転送陣の消去が行われております》
黒い方の転送陣は、まるで切れかけの蛍光灯のようにチカチカと明滅している。
星の方もあからさまな干渉に気づき、即刻排除を選んだようだ。
「──つまり、アレの行きつく先は星々も想定していない場所ってことか? ふむ……今の状況から考えると──アリだな」
《旦那様、ご決断を。どうやら、下層の逸脱者たちを動かし始めています》
「目的は問題作の処理か……こいつらがあの転送陣と繋がっていて、それを倒し切らないとちゃんと消せないわけだ」
《ですので、私からご提案が》
どうやら『超越者』を含む面倒な人々が、無視した者たちも含めてここの処理に来ているようだが……『SEBAS』の案を聞くことで、回避できそうだと知る。
まあ、失敗しても俺の羞恥心が多少爆発するぐらいのこと。
犠牲は必要だと割り切り、スピーカーを取り出し声を発する。
「『──誘いに乗ろう、道を作れ!』」
すると、ピシリと一瞬動きを止めた魔物たちが、次の瞬間列を成して道を作る。
そして、彼ら自身は俺を強者たちから守るべく肉壁として立ち塞がっていく。
大型の魔物たちはそんなやり方で、小型の魔物は俺に追従する動きを見せる。
──まあ、原付を全力で飛ばしているのでリレー形式でやっているようだが。
「さーて、面白くなってきたな」
少々回り道になるだろうが、少なくとも今の少ない手札で百層突破よりは可能性はあるだろう──その先に何があろうとも、最後には地上へ辿り着いてみせる!
0
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる