虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
2,390 / 3,140
DIY、冒険を求める(続)

人形レベリング 前篇

しおりを挟む


 アイスプル 迷宮『進魔の修練場』派生『生者の遊歩道』

 一度は、そして何度もやっておきたい転生システム。
 だがそれには膨大な量の種族経験値が必要だと、改めて知った。

「だからこそ、レベル上げをしないとな──それじゃあ皆さん、お願いします!」

 俺が求めるのはあくまで経験値のみ、自分一人でやる必要も無い……矜持も無いしな。
 人形たちと魔力の糸を繋ぎ、ひたすら経験値効率の高い魔物を倒し続ける。

 就いている【人形師】や【傀儡師】の職業効果もあり、人形たちが活躍した経験の一部が通常よりも多めに反映される──糸の数は十本、十体の経験値を奪っているわけだな。

「しかしまあ、種族の経験値は微々たるものだな……でも、職業の方はがっぽりだ」

 人形たちを使っている関係で、得られる経験値を十全に受け取ることはできない。
 うちの人形は特別性なので、彼らが各々で経験値を得ている。

 だがそれでも、その分掛かる手間を惜しんででも得られるメリット。
 それが職業経験値──星の民が職業に付けるようになってから、分かったことがある。

《人形たちが職業に就いている場合、旦那様は彼らが就いている職業に適した経験値も同時に獲得できる。これは大発見です》

「普通は人形が職業に就いていること自体珍しいし、【人形師】系統に就いている奴が人形も【人形師】系統の職業に就けるのもあまり意味が無い……複合系の職業なら、もしかしたら可能かもしれないが」

《前提である人形の就職、これを満たしたうえで更に【人形師】系統の職業を鍛えている者はあまり居ないでしょう。あらゆる職業を内包する【救星者】だからできたことです》

 いちおう神代の記録だと、ありとあらゆる職に通ずる職業は在ったということだが。
 しかも【救星者】とは別、なので俺以外でも同じことが絶対にできないわけではない。

 だが今は、そんな方法も利用する。
 職業経験値は稼げば稼ぐほど、【救星者】の能力“職業強化”の糧となり、更なる力を俺にもたらす。

 今はいちいち付け替えなければ使えない職業の能力も、いづれは切り替え無しで自在に使えるようになる──差し当たっては、今付けている【人形師】系統は必須だな。

「『プログレス:ブレスレッド』」

 インストールした『プログレス』は、肺と置換され俺の呼吸量を高める。
 同時にそれは大気の、身力を取り込む量を増やし回復量をも上げていく。

 それを受けて、人形への供給量を──増やさず、代わりに糸の数を増やす。
 繋ぐ先は既存の人形ではなく、新たにこの場に展開した十体の人形たち。

「『SEBAS』、制御を頼む」

《畏まりました──『セバスチャン』を起動します》

 さすがに今まで通りの制御はできなくなるので、その辺は『SEBAS』にお任せ。
 俺はこれまでと変わらず、ただ人形たちの無双劇を見てるだけで経験値を稼げるのだ。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

処理中です...