虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、冒険を求める(続)

職業複写 前篇

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 アイスプル

 案役街に出向いた『SEBAS』が行ってくれている、アイスプルに導入される新たな職業システムについて学んだ。

 住民たちの努力が、ある意味俺に反映されるようで。
 上級職までの、これまで就けないでいた職業にも就けるようになるだろう。

「──で、あれから現実換算で一週間。まさかここまで『SEBAS』が苦労するとは」

 今日に至るまで、職業システムはそのままの状態だった。
 だが本日、[ログイン]した俺に届いた一通の[メール]──『SEBAS』からだ。

「最終調整に入っているって話だったな。処理は代理人として『SEBAS』がやってくれるみたいだし──おおっ、渋滞だ」

 現在、職業システムに干渉できるアイテム『系統樹の進晶』は神・世界樹の麓に在る。
 転職のついでにでも、神々への祈りを捧げてもらうためだが……そこが今大人気だ。

 どうやら、すでに住民たちにもアップデート情報は伝わっていたようで。
 誰に彼もが済ませている下級職を止め、より上の職業に就くべく集まっていた。

「結構集まっているけど……なんか、就けない連中も集まっているな」

『物珍しいからん、こういったことでも盛り上がれるのは良いことだ』

「おっ、風兎。お前さんもか?」

『せっかくだからな、【風魔法師】よりも上位の職に就いてみようと思ったところだ……だが、かなり混んでいるようだ』

 アイスプルの住民の大半は、魔物である。
 だがその中でも、『プログレス』の装着者に限り職業システムの恩恵を受けられる……逆にできないのは固有種の個体たちだな。

 風兎はそんな固有種に匹敵する星獣だが、スペックが高い魔物というだけで彼らにしかないあるモノを有していない。

 なので、『プログレス』を着装して職業にも就いていた。
 ……ただでさえ強いのに、いろいろと強化されて厄介なんだよな。

「職業は別に待ってくれるし、行列が空いてからでいいだろう。それにあれだろ? どうせ民たちが就きたいからって、譲ったとかそういう感じ」

『……うぐっ』

「先着順の最上位職もあるにはあるが、どうせアイスプルじゃ就くことのできないモノなわけだし。むしろゆっくり考えてみる時間があってもいいんじゃないか?」

『…………そうするとしよう』

 職業は無制限に就くことができる。
 複数の職業を一度に就けることも可能ではあるが、そちらは獲得する経験値が減少するというデメリットが存在した。

 そのうえで、これまでに就いた職業で蓄積したレベルもまたそうした獲得する経験値に悪影響を及ぼす──なんだかんだ、ビルドを考えるのが大変なシステムなのだ。

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