2,585 / 3,140
DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その13
しおりを挟む光の速度で動く、そして結界を生成する。
これら二つの性質を、オーブによりカレットは獲得していた。
オーブ自体を破壊すれば、それらの能力を封じることはできる。
そしてそれは可能だ……それでも、その方法を取ることは無い。
「──[スノウエスト]、来なさい」
『──ッ!!』
彼女が結界で自らを保護する中、見境なく暴れ回っていた擬似災凶種。
その眼前に突き出すのは、自らの拳──その指に嵌められた指輪。
それを一瞥した[スノウエスト]、一度咆哮を上げるとこちらに突っ込んでくる。
俺の言葉を受け入れたのではない、むしろ抗うために殺そうとして──
「『従え』」
『────』
そのまま指輪の中に吸い込まれていった。
獣、災凶種であるこの個体は、獣神様の御業によって、本来の姿に性質が付け加えられた結果、『侵雪界獣』となっている。
そして本来の姿、それすなわち精霊。
俺が指に装備している『精霊の指輪』は、精霊神様から下賜されたものであり、精霊を呼び出し使役することが可能となっている。
あくまでも後天的な獣の姿、精霊としての性質を失っているわけでは無い。
死に続けたことで溜まった膨大な能力値、そのごり押しで捻じ伏せたのだ。
……まあ、元より支配し切れていない存在が内側に入り込んだ結果、一時的に死ぬ速度が急激に加速したわけだけど。
幸いにも、指輪による神様パワーのお陰で調伏した後は大人しくなった。
そして、その力はそのまま俺の能力値として使用することができる。
「…………冗談だろう?」
「いえ、これが私の切り札の一つ……そう捉えてもらってもよろしいかと。とはいえ、そう長くは持ちませんのでご安心を」
「いちおう聞くけど、それってアンタが退場するから? それとも、ただ単にそれが使えなくなるだけ?」
「……(ニコッ)」
うん、ただの妖刀使用制限だ。
せっかくなので手に取っていた[宿業]に意識を集中し、荒れ狂う[スノウエスト]のエネルギーをそちらへ流し込んでいく。
並みの妖刀では耐えられない、文字通り世界を滅ぼしうる危険なパワー。
妖刀はそれに耐え……られないが、外部から力を補給してそれを補っている。
そして、その供給源とはまさに俺のこと。
妖刀、[スノウエスト]双方から力をぶん盗られていく中、“孤独蟲毒”が延々と俺の自己強化を図っていく。
「よっと……ああ、これはいけない。力が有り余ってしまっている」
「…………」
圧倒的強者感、一度は言ってみたい台詞である。
妖刀を軽く払ってみれば、斬撃痕と共にその軌跡が瞬時に凍り付いた。
それから少しして、痕の周囲のみが吹雪いて雪が積もっていく。
元より降っていた雪も相まって、クレバスのような惨状と化していた。
「……さて、どこからでもどうぞ?」
「!」
明らかな挑発、だがそれでも彼女は──笑みを浮かべている。
どうやら何かやってくれるようで……見せてもらおうか、ご息女の実力とやらを。
1
あなたにおすすめの小説
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる