2,615 / 3,140
DIY、とにかく戦い続ける
闘技大会無制限部門前篇 その43
しおりを挟む記憶の転写、『忌創展概』が辿り着いた不死性の在り方の一つ。
それにより、霊体たちは自らの経験を奪われ植え付けられる……そんなことがあった。
《解析完了、いつでも当てられます》
「……さて、どうしたものでしょう。まあ、やれるだけやってみますか」
「おや、これは……」
経験とはつまり、慣れである。
相手の行動を読み切り、最適な動きを取れるようになるわけだ。
だがそれは積み重ねによって得るモノであり、想定外の動きは含まれていない。
──『SEBAS』はそれを利用し、これまでまったく行っていなかった軌道を使う。
結果、霊体たちは一体として残ることなく浄化されていく。
だがこれで終わりでは無い、霊体たちはあくまでも呼び出されたものに過ぎない。
「──これもまた、検証終了。結論、いかに引き継ぐことができようと、脆弱であれば不死に非ず」
「……それだけ、ですか」
「それだけだとも。まあ、これはかなり昔に調べたものだからね。今であれば、もう少し異なる結果も出る……そう思っていたが、やはり君たちのようには、上手くいかないね」
休人は死んでも死なず、決して記憶を損なうことは無い。
ある意味究極の不死、ゆえに休人を調べようとする者も昔は多かった。
だが彼女がそれを暴けていないように、誰も完全に秘密を解き明かせてはいない。
またシステム的保護、アバターだから、ご都合主義だと休人は深くは考えなかった。
「ああ、でも一つ聞いた話があるね。何でも菌を使い、休人の死体を奪うことに成功した星敵が居たと」
「…………」
「休人たちの情報網は凄いね、星敵のことですら分かるんだから。不死とはまた違うことだけれど、君たちの体を調べるための方法としては悪くないんじゃないかな?」
休人の便利機能の一つ[掲示板]。
それを利用し、自分が件の星敵『霧疫』にやられたことを誰かが伝えたのだろう……それが巡り廻って、厄介な場所に到達した。
「君の討滅こそがオーダー。死んでも死なない君を討つためには、最低限肉体と精神を引き剥がす必要がある。そこでだ──『禁忌実証No.94:生者必滅』、実行開始さ」
「こ、れは……くっ」
何が起きたのか、先ほどとほんの少しだけ違っていた彼女の宣言。
検証では無く実証、それにより起きた──謎のデバフ。
「『状態異常:生者必滅』……」
《緊急代行──『星域』を展開、肉体の保護による緩和を実行します》
情報を求めるべく、[ステータス]欄から『状態異常:生者必滅』を確認する。
どうやら『SEBAS』が領域を構築して防がなければいけないほど、危険なようだ。
「……死亡時、一時アカウント凍結。実行者の死亡、あるいは任意による解除が行われるまでそのまま?」
「いろいろと制約はあるが、まあ君が読み上げた通りさ。君がこの試合で負ければ、自動的に僕は討滅者となる。闘技場の仕組み上、舞台から降りることも暫定的に死亡扱いとなる。つまり、逃げ場はもう無いわけさ」
何というか、圧倒的に俺が不利な条件というか……まあ、道理は通っているけどな。
理屈は簡単、それを通すだけの対価が支払われているから──生産世界、太っ腹だよ。
1
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる