虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門前篇 その05

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 平原から移動し、湖フィールドへ向かうことを決めた。
 その地を支配する強力な個体──魔獣がどれほどの存在か、確認するためだ。

「……うーん、見た感じただの湖にしか思えないんだけどな」

 未だ俺は、即死を避けるため引き籠もり。
 だが目の前の光景は影の中に投影されたものではなく、自らの視界──という認識ができるモノで捉えている。

 かつて脱獄時も使った、エクリへの憑依。
 今回は体を影の中に保管してもらい、肉体の操縦を俺がすることにした。

 代わりにエクリは生み出した闇精霊で、周囲の情報収集を行ってくれている。
 お陰で[マップ]埋めは加速し、湖フィールドは一点を除きほとんど埋まった。

「まあ、ほとんどが湖だから全然分かっていないのと同義なんだけど」

 湖のフィールドと化している領域、そのすべてが完全に水に触れている。
 巨大な蓮の葉が浮かんでおり、陸生の存在はそこを渡るしか移動手段が無い。

「で、そこに建物を乗せるだけの耐久度もあるみたいだけど……あー、ダメそうだな」

 遠くで蓮の葉を拠点としようとしていた休人が居たのだが、突然蓮の葉の周囲で激しく水面が揺れ──葉が引っ繰り返る。

 水中から巨大な魔物たちが現れ、鯉が餌を啄むように休人に襲い掛かっていた。
 その結果は言うまでもない……蛍のような淡い光が、宙に上って消えていく。

「『SEBAS』、ルールは間違いないな」

《はい──最低限、水中に居なければこの地の恩恵を受けることはできないでしょう》

「それだけ魔獣の影響が強いわけだ……蓮の葉があるのは温情か?」

《いえ、絶対に通れない。そういった不可能があると、領域の理は強い効果を発揮できなくなります。どれだけか細くとも攻略可能な道筋を用意する、そうすることで性能を強化することができます》

 そういえば、迷宮もそんな感じの仕様がたしかあったな。
 分かりやすいモノだと──入り口と出口が存在しないと、そもそも成立しないとか。

 ルールというか、何かしらの決まり事が迷宮や魔獣の領域にもあるわけだな。
 湖の場合だと、最低限陸地として他の生物も活動可能にしなければならない、とか。

 まあ、それ以上の配慮が無いのだから、その場に留まれば先ほどの休人のようにあっさりと捕食されるわけだ……そして、ルールはこれだけではない。

「実際に存在する湖でさ、めちゃくちゃ底まで見える名所が外国にはあるんだよな。で、その理屈は中に視界を妨げる栄養が存在しないからとかなんとか……ここも、そういう理由なのかな?」

 先ほどの休人は、よくここを拠点にしようとしたと感心したくなる。
 ──下を見れば巨大な魔物だらけ、それを水族館みたいに観測できるのにさ。

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