2,695 / 3,140
DIY、とにかく戦い続ける
特殊耐久サバイバル部門前篇 その23
しおりを挟む火山領域にて、属性精霊の偏在による術式行使の変化について調査を行った。
結果、制御術式を使っておけばとりあえず暴走は抑えられると確信する。
「──火山領域から今度は谷か……法則的にまだ中立地帯、その割に殺伐としているな」
火山に向かう前に訪れた荒野では、いちおう参加者たちが拠点を築きあっていた。
協力するという概念が、まだ彼らにはあったが……どうやらここは違うようで。
「だだっ広い荒野と違って、遮るモノだらけだからか? お互いに場所を奪い合って、いい場所を確保しようとしているわけだな」
環境の変質がどのように起きるか分からないが、もしもそのままの地形なのであれば、谷というのは意外といいかもしれないな。
現実ならばいろいろと問題があるかもしれないが、魔法とかスキルがあるからな。
重要なのは相手に捕捉されないこと、つまり敵対されないことが重要だ。
「……あーでも、谷の上の方はいちおう共存しようとしているのか。住み分け、とは少し違うだろうけど、お互いを攻めないぐらいの認識にはなっているんだろう」
谷の上はある程度なだらかで、そこを拠点することもできる。
ただし、そちらは素材がほとんど獲得できないため、欲しいなら降りるしかない。
水なんかは谷の上でも回収できるが、魔物も動物も現れないため、草だけで食い繋ぐしかないようで……資源が尽きるなら、最悪上だけで争いが起きかねないな。
「でも、この先がほぼ確実に植物系の魔獣だからな。もし、その個体がこっちを侵略するなら話は別…………誘導とかしそうだ」
《谷からそちらへ赴いた参加者は、ドローンで観測できております。魔獣の気質が分からないため判断はできかねますが、火山領域や周囲の領域との兼ね合いによっては、侵攻の可能性もゼロではないかと》
そんな話をしている俺は現在、谷の──側面を壁歩きで移動している。
何だかんだ、上下に居る参加者たちもその中間を注視しようとはしないのだ。
上から覗かれることはたまにあるのだが、谷にはうっすらと霧が掛かっている。
それが上手いこと隠れるよう動いており、今のところバレた様子は無い。
「この霧も、何か感じるんだよな……素材として使えるか?」
《解析します……自然魔力によって、変質化した霧ですね。認識阻害の性質を秘めているため、水分を抽出すれば高度な隠蔽のアイテムが獲得可能です》
「水分を抽出する必要があるのか? 谷のどこかにある源泉を汲むとかそういうのは?」
《あくあでも、霧となったことにより発生した性質のようです。以降の状態変化は問題無いようですので、抽出が必須となります……ただし、周囲の霧が消えてしまうので、高い確率で露見します》
うーん、下に居る連中はおそらくもうこの仕様を知っているな。
そのうち霧もまた、奪い合いとなること間違いなし……これ、バトルロイヤルだっけ?
1
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
合成師
盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。
そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる