虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、とにかく戦い続ける

特殊耐久サバイバル部門閉幕 その10

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 ジンリの指揮下で統率された参加者たちにより、ギミックも解き明かされて空間の魔獣は討たれたようだ……その最期、そこは俺の知らない出来事。

「それでね、魔獣は人の言葉を話せるでしょう? 最後に言ったの──『次は負けない。また遊ぼう』ってね」

「……イベントの復刻とも思えるし、そもそも死んでいないフラグっぽいよな」

「ええ、ジンリ君もそう言っていたわ。でも魔獣が居なくなったことでイベントは終了、全員が脱出に成功した扱いになったの」

「そこで俺も戦いが中断されて、命からがら生き延びることができたわけだ」

「そう、そこよ! さっそく何があったのか知りたいわ──『SEBAS』君!」

《用意はすでに。映像を投影します》

 空間の魔獣が何を企んでいるのか、それは定かではない。
 ただ一つ言えるのは──あの場所には、多くの物がまだ残っていた。

(そう考えると、かなりヤバいんだよな……魔獣の複製技術然り、俺が用意した簡易的な居住区然り。その気になれば、軍隊と国が出来てもおかしくないわけだし)

 まあ、技術として最新版を披露したわけでは無いし、複製魔獣を大量投入されたところで、うちの住民たち(+α)であれば鼻歌混じりで処理できるだろうが。

 問題はアイスプルへの被害ではない、むしろそれ以外の場所だ。
 そもそもの話、空間の魔獣がどこにもともと居たのかが分からない。

 空間、の魔獣である以上、さすがに生息範囲が宇宙ということはないだろう。
 EHOの定義において、そこまで行くと単語は『空間』ではなく『次元』のはず。

 人が住んでいる場所であれば、新たに争いの種を生み出したことになる。
 またそうでなくとも、空間の魔獣一強化による変革が起きる可能性があった。

「……うわぁ、なにこれ」
「みんな凄い人たちなのに、どうして生きていられるの?」
「ふふっ、ふふふふっ♪ やっぱり、アナタは最高よね!」

(──遊ぼう、だったか……少なくとも空間の魔獣にとって、アレは遊びだったわけだ)

 魔獣、獣という字を使ってはいるものの、その正体は生物ではなく空間そのもの。
 本来知性を持ち得るはずの無い概念が、魔物と化し進化の果てに魔獣となった存在。

 人と魔物では生き方というか考え方が違うが、概念だった空間の魔獣は更に別次元の考え方をしているに違いない。

 その特殊性ゆえに固有種として認定されてもおかしくはないのだが、あるいは俺が知らないだけで概念が魔物となる現象は多く確認されているのかも。

「まあ、次があれば今度こそ、俺もお相手をする側に回ろうかな?」

 そんなことを思いながら、正直見覚えが無いほどに(生きるのに必死だったため)苛烈な戦いの中で生き残る自分の姿を見届けるのだった。

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