2,811 / 3,140
DIY、高みへと挑む
違法侵入者 その08
しおりを挟む戦闘中に解析した結果、【殺人王】の持つ『プログレス』を暴いた。
それは死を糧として、更なる死を生み出す最悪の擬似権能。
(自分の関係者──仲間か自分が殺した相手の死亡時リソースを集めて、能力付与に使うことができる……それが『メメント・モリ』の能力)
加えて、【殺人王】の能力。
自身が近接武器で人族を殺した際、獲得できる経験値を増加させる(正確には吸収量を向上させるらしい)。
つまりはそういうこと。
殺せば殺すほど自身を強化できるし、強化で消費した経験値も何人か殺せばすぐに戻すことができる。
少なくとも『メメント・モリ』の情報を把握する限り、蘇生効果などは存在しない。
……それはそれで、これまでも死なずに逃げ延びているという面倒臭さがあるけどな。
「さすがは【殺人王】。ええ、とても厄介です……しかし、それだけです」
「なあ、さっきから挑発ばかりで全然何もしてこねぇな」
「そう見えますか?」
「…………そういうことかよ」
一瞬、男の体が先ほどの剣と同じエフェクトで光り、俺のしたことに気づいた。
俺、というかエクリは闇の精霊を核とした存在であり、その操作は神懸っている。
ただ念じるだけ、そういった技術を不得手とする俺でも緻密で静粛な行使が可能。
じわじわと周囲に広げていった闇の包囲網に、これまで気づかれずに済んでいた。
とはいえ相手は対人特化の殺人鬼。
こちらが闇や影を操ることなど百も承知のうえ、それ以外の戦術だって膨大な経験からある程度推測できるだろう。
──それでも、一切の兆候を見せずに攻撃すれば?
本人が完璧に対策していると思った部分から、あえて攻めていればどうなるのか。
「強制弱点化、理不尽もまたこの世界の法則の一つです。加えて、そこに少々の幻覚が混ざれば……御覧の通りですよ」
「こんにゃろう!」
「諦めないその姿勢には、大変好意を持てるのですが……弱者の無駄な抵抗にしか、今は見えませんね」
今度は全身を包む強化エフェクト。
全力で投げつけられたその剣は、同様のエフェクトで殺傷能力を高められているのがすぐに分かる。
最期の抵抗、しかしそれも油断することなく転移術式で躱す。
男は──ニヤリと嗤い、その手に新たな武器である槍を握り締めこちらへ放つ。
「──なっ!?」
「言ったでしょう? 弱者の抵抗にしか見えないと。さて、そろそろいいですかね?」
「…………!」
が、それは周囲の闇によって防がれた。
続けて絡めとるように触手が伸びていき、武器と男自身を捕縛する。
逃げは許さない。
殺しても逃げるだろうし、取るべき選択は無力化──闇の操作と[カゲフミ]を組み合わせ、とりあえず拘束しておいた。
「むぐー、むぐぐー!!」
「しばらくの間、そうしていてください。その間に、ここを潰しておきますので」
影を以って描く魔法陣、規模と出力が高まるように仕込んだソレが瞬時に起動。
真っ黒な玉がそこに現れ、何もかもを呑み込むように辺りを無作為に吸引。
対象は拠点全体、築いたその土地ごと過剰な重力の中へ押し込んでいく。
しばらくすればそこは更地に、何も残されてはいなかった。
1
あなたにおすすめの小説
神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜
神
ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。
23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。
石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。
フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。
主人公・神谷錬(かみやれん)。
東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。
幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。
空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。
レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。
しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。
彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。
辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。
しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。
世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か?
異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
────────
自筆です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる