虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
2,836 / 3,140
DIY、高みへと挑む

守護星獣 中篇

しおりを挟む


 アイスプル 永久の楽園 派生 再生の間

 アイスプルの守護獣である星獣エンキ。
 未だ幼体であるがゆえに、本格的な使命を果たしたことのない彼の今の実力を見るために、いろいろと試験をしてみることに。

「──と、いうわけでここ『再生の間』でいくつかテストをしてもらおう」

『クキュ!』

 家族が提案した様々な迷宮の複合施設。
 中でも再生の間は、過去に戦った相手と擬似的に再戦することができる部屋。

 再現可能なモノに限度もあるが、そこは追加でリソースを注ぎ込めば大抵は可能だ。
 ……最初からそんなに負担が掛かる相手は用意しないが、最終的にはな?

「相手は俺が用意する。エンキはそれをどうにかして追い払えればいい。もちろん、倒してもいいけどな」

『キュウ!』

「よしよし、それじゃあ始めるぞ──まずはこいつだ!」

 部屋の奥に置かれた秘石に触れると、触れた者の戦績を読み込む。
 分かりやすく視覚化された、通常リソース内で再現可能な対象をリストから確認。

 そして、選択する。
 部屋の中央に陣が編み込まれ、そこから対象が出現──灼熱の烈風が吹き荒れ、周囲がドロドロに熔けてマグマと化す。

「イベントで戦ったマグマのネズミさんだ。何回か接触したし、素材を培養して複製魔獣も作ったから再現度合いも高めになっていてちょうど良かったよ」

『……魔獣。本当に遭遇していたか』

「よく生き残ったな、とか倒したな的なことは言わないんだな」

『…………死なぬ貴様にいちいち問う必要もあるまい。ふむ、どれぐらい強いのか?』

「まあ、だいたい特殊な生存タイプばっかりだったからな。それを攻略する知識が必要になるんだよ……逆に言えば、それができるならちょっと弱いぐらいになるかな?」

 特殊耐久サバイバル部門を振り返れば、現れた魔獣たちには何かしらのギミックが存在していた。

 その顕著たる例が今回再現したマグマのネズミ──マグマが尽きぬ限り死なない、そして存在する限り周囲をマグマへと塗り替えていくので、短期戦必須な魔獣だ。

「それじゃあ、始め!」

『キュゥウウウ!!』

「……おおっ」

 星獣はその身に星気を宿している。
 その性質は万能、使い手が望む限りどんな事象であろうとも、星に再現可能なモノであれば体現可能なチートエネルギーだ。

 そして、星の守護獣であるエンキはそれを星からいくらでも貰い受けることができる。
 エンキもまた、それを用いることで爆発的な推進力と身体能力を獲得。

 ネズミも行動を取ろうとするが、それよりも速くエンキの一撃が炸裂。
 マグマはすべて吹き飛び、宙に跳ね上げられた哀れなネズミはその爪に引き裂かれる。

「……一撃」

『ふむ、なかなかに洗練されているな』

『クキュー!』

『戦闘経験は豊富だからな。民たちと戦った分だけそれらも高められている。素晴らしいぞ、エンキよ』

『キュ!』

 レベルは低いエンキ、だがその身に宿す星気だけで大抵のことは何とかなってしまう。
 そのうえで、戦闘を繰り返すことで得た経験値が技巧面を高めてくれている。

 相手は超格上である超越種や災凶種、またそれに匹敵する擬似権能持ちなど。
 そりゃあ強くもなる、それを一戦目からよく分かったよ。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

合成師

盾乃あに
ファンタジー
里見瑠夏32歳は仕事をクビになって、やけ酒を飲んでいた。ビールが切れるとコンビニに買いに行く、帰り道でゴブリンを倒して覚醒に気付くとギルドで登録し、夢の探索者になる。自分の合成師というレアジョブは生産職だろうと初心者ダンジョンに向かう。 そのうち合成師の本領発揮し、うまいこと立ち回ったり、パーティーメンバーなどとともに成長していく物語だ。

現代社会とダンジョンの共生~華の無いダンジョン生活

シン
ファンタジー
 世界中に色々な歪みを引き起こした第二次世界大戦。  大日本帝国は敗戦国となり、国際的な制約を受けながらも復興に勤しんだ。  GHQの占領統治が終了した直後、高度経済成長に呼応するかのように全国にダンジョンが誕生した。  ダンジョンにはモンスターと呼ばれる魔物が生息しており危険な場所だが、貴重な鉱物やモンスター由来の素材や食材が入手出来る、夢の様な場所でもあった。  そのダンジョンからモンスターと戦い、資源を持ち帰る者を探索者と呼ばれ、当時は一攫千金を目論む卑しい職業と呼ばれていたが、現代では国と国民のお腹とサイフを支える立派な職業に昇華した。  探索者は極稀にダンジョン内で発見されるスキルオーブから特殊な能力を得る者が居たが、基本的には身一つの状態でダンジョン探索をするのが普通だ。  そんなダンジョンの探索や、たまにご飯、たまに揉め事などの、華の無いダンジョン探索者のお話しです。  たまに有り得ない方向に話が飛びます。    一話短めです。

処理中です...