虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、高みへと挑む

現人神 前篇

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 遺跡の住民から神聖術式の籠められた銃を取引して手に入れ、その解析に挑むことに。
 失敗を想定し、補助の『プログレス』を使いながらのトライ&エラー。

「……苦節三日、長かったもんだな」

 失敗したときにどうなるのか、答えは中に閉じ込められていた力が解放される。
 身を以ってそれを体験……する未来を何度も確認しながら、紆余曲折しながら分解。

 力の流れを見極め、『プログレス:オールコントローラー』でそれを操作。
 部分的な機能不全を起こさせ、やっとこさ神聖術式に到達したのが二日目のこと。

 そこからはひたすら術式の解析。
 既存の術式とはまったく違う、人族が用いる文字を基にしたものではない……分かりやすいたとえだと、模様だろうか。

 魔法陣とは違う、万華鏡のように流動し姿形を変えていく術式。
 それがそもそも何を意味するのか、一から調べ上げなければならなかった。

「まあ、その時点で分かったよな──ギリシア神話の神々は、決してあの人たちを見放しているわけではないと」

 目的は不明、だが悪用されれば神族でも困るようなものを放置するはずがない。
 そうなれば何かを達するために、あの場所は天上世界に今なお存在するのだろう。

 ──なんてことを俺が適当に考えている間も、『SEBAS』は頑張ってくれていた。
 そして、解析の果てに辿り着いた結果──これらの複製はできない。

《申し訳ありません。どれだけ精度を上げて術式を複製しても、それらは一度として正常に作動できませんでした》

「何か理由があるんだろうが……分かっていることを教えてくれ」

《畏まりました。推定の域を超えられておりませんが、おそらくは『プログレス』同様に正規のアクセスのみでしか機能しないようになっているのでしょう》

「…………考えてみれば、そうだよな」

 俺たちの場合、女神プログレスが不正なアクセスは遮断することで、(俺たち以外の)悪用を防いでいる。

 同様に、神聖術式もまたそういった検査が行われているでは? という見解だ。
 的を得ている気がするのでそれはいい、問題はそれゆえに複製できない点である。

「術式の解析自体は済んでるんだよな?」

《はい》

「銃自体は引き金を引いたら光線が出てくるタイプだったんだが、どういう術式が込められていたんだ?」

《太陽神アポロンの威を借り、陽光を放つというものでした。アンデッドへの特攻、また遠矢の神としての性質を受け、照準補正などが働きます》

「……対応した神の力、そして性質。いろいろと奥が深いな、神聖術式は。問題は、俺たちがソレを使えない点だけど」

 とはいえ、使えないのは銃から引っ張ってきた神聖術式が、という話。
 解析は終了しており、どの神からどんな内容を……といった部分も変更可能だ。

 つまり失名神話の神々の力を……といきたいところだが、それはできない。
 彼らは名を失っているため、それを取り戻すまでは対象とできないのだ。

 ならばどうするか──要するに、神さえいれば問題無い。
 それこそ、純粋な神族ではなく人の身で神に至った現人神のような存在でも。

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