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DIY、未知を既知とする
錬金チャレンジ その28
しおりを挟む「起きなさい──『贈叮人形』」
生産世界から出るため、空間を閉鎖している休人の排除を行うことに。
そこで用いるのは人造人間……とは少し違うが、その要素も持つ一体の人形。
エクリ──『終従人形』の姉妹機。
その核となる部分に固有種の遺製素材を用いた、世界にただ一体の存在。
「…………ここは?」
「お目覚めですか?」
「! お、お父様!」
「だから、その呼び方は……いえ、今は置いておきましょう。仕事の時間です」
普段、彼女はアイスプルである任務に就いているため、あまり外には出さなかった。
何度言っても呼び方を変えてくれないことについては、割と諦めているからいい。
それでも今回、お披露目をするのは──戦力の開示が目的。
なんかかんだエクリを介しての戦闘も多くなってきたし、対策も増えたことだろう。
だからこそ、エクリ用の対策だけでは無意味だと誇示するわけだ。
……決して、たまには別の能力で無双したいとか、そういう理由じゃないんだぞ。
「お仕事……ですの?」
「現在、私はここから脱出できない状態にあります。この場に居る休人の誰かが、空間の封鎖を行っているからです。早急に、不殺を心得たうえで原因の排除をお願いします」
「承りましたわ──このギーフ、必ずやお父様のお役に立ってみせますの!」
「ええ、期待していますよ」
そんなこんなで、再び姿を消す俺と地上に舞い降りるギーフ。
討滅対象が俺な以上、すぐに追いかけたいところだが……そうはいかない。
「うふふっ、今この瞬間こそ、わたしの晴れ舞台。さぁ、共に参りましょう──“■■■■・アンド・■■■:不退”!」
「うわっ!?」「なんだこれ……解除不可の状態異常!?」「不退って、これたしか戦闘狂系のバフじゃん!」「マジかよ……アイツ倒さないとここから動けねぇの!?」
ギーフの『プログレス』、その銘は『コレクトキャプチャー』。
エクリと同名のそれは、しかしその中身だけがまったく異なっている。
エクリのソレが権能の蒐集を目的としているのなら、ギーフの場合はあらゆるバフ・デバフをその対象としていた。
一度集めたものは、いついかなる時でも再利用が可能。
今回は相手の逃亡を許さない、殿役みたいなバフをこの場に居る全員に施した。
──ただし、本来であれば付与の成功率などは仕様通りでなくてはならない。
それを強制的に、かつ絶対必中で当てられるのは彼女自身の力によるものだ。
「へっ、なら話が早ぇ。さっさと倒してアイツをぶっ殺──」
「死」
「す……はっ?」
先走った戦闘職が、彼女に近づいた。
その際に口走った内容が耳に届き、彼女はただ一言吐き捨てる。
それだけで、その休人は何も攻撃されていないにも関わらず粒子と化した。
それを観ていた周りの者たちは、何が起きたのかをすぐに判断する必要が生まれる。
──がもう遅い。
俺を殺すという彼らの目的に気づいたことで、ギーフの中でスイッチが入った。
つまり、抹殺。
無力化して『プログレス』を解除させるのではなく、この場の全員を死に戻りさせて強制的に中断させる方法を選んだのだ。
「お父様もお人が悪い。排除ではなく駆除でしたなんて……巻き込まれる方には同情しますが、休人の方は全滅してもらいますわ──“■■■■・アンド・■■■:死”」
先ほどのように単一を対象としたものではない、この場の休人だけを正確に狙い打ちした状態異常の付与。
その理不尽さな光景に、ふと休人が──かつて冒険世界である作戦に参加し、同じような死に方をしたことでこちらに移ってきた者が呟いた。
「これ、[ギフチャージ]のやり口……」
状態異常の強制付与。
気づいたところで対処できない理不尽、その絡繰りに気づいたのは、休人たちが全滅した後のことだった。
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